管理人: 2009年2月アーカイブ

山廃仕込 香住鶴

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 神戸市垂水に立ち寄ったのは返す返すも大失敗であった。
 目的の市場はすでに息絶え絶えの状況にあり、なにも得るべきものがなかったのだ。
 垂水から神戸線で姫路に出る。
 ここから岡山に行き、特急やくもに乗るつもりだが、西明石で新幹線にするべきかどうかを悩みに悩んだ。
 姫路で降りて、地下の商店街でワンカップを買い求める。
 銘柄もなにも関係ない。
 とにかくあったものを買い求める。
 値段は240円だったと思う。
 なにしろ新幹線の発車時刻は迫っている。
 階段を駆け上がり、ホームを走ってやっとこだまに乗り込む。
 しかし朝から慌ただしい限りだ。
 昼飯には早すぎるし、ここでワンカップで一息なのだ。
 ボクの勝手な思い込みだが、
 鉄路にはなんといってもワンカップが似合っている。

 当然列車が動き出してから蓋を開ける。
 いい香りがして、思ったよりも切れのいい味わいだ。
 山廃仕込みなのに喉越しもいい。
 これはワンカップとしてはよくできた酒ではないか。

 香住と言えば松葉蟹(ズワイガニ)で有名である。
 日本海の魚貝類も豊富であり、ここに「香住鶴」があるのかと思うと、それだけで日本海の香住という町が魅力的に思える。

2009年2月9日
香住鶴 兵庫県美方郡香美町香住区600の2
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/

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 築地には魚市場とやっちゃ場がある。
 関東では青果市場のことを「やっちゃ場」というのだけど、なぜだろう?
 広辞苑で「やっちゃ」とは威勢のいいかけ声のことだとある。
 威勢のいいかけ声が飛び交う場所ということで「やっちゃ場」なんだろう。

 築地正門から右手にあるのが「やっちゃ場」。
 ここで見事な「ヒロコ」を見つけた。
 「ヒロコ」とは「ひるこ」だろう。
 「ひる」はユリ科のネギのたぐいということで、「子」とはまだ小さいと言う意味。
 関東では「浅葱(あさつき)」と呼ぶ。
 秋田県産であって、これだけで遠く秋田市民市場裏のヒロコや月山竹を売っていた光景が思い出される。

 ヒロコはさっと湯がく。
 この同じ熱湯の中でスルメイカの短冊を、これまた湯がいて、おか上げしておく。
 砂糖、赤酢、煮きり味醂、味噌を合わせて、どろ酢を作り、辛子を練り込む。
 あとは説明するまでもないが、食卓に出す直前に和えるだけ。

 ちょっと白っぽいが、口に放り込むと、春らしい香りが満ちてきて、スルメイカの甘さと、ヒロコの甘さが合わさってくる。
 これに合わせるのは冷や酒に限る。
 今回の酒は島根県雲南市木次町の『美波太平洋 純米吟醸』。
 山陰なのに太平洋、しかも「美波」とはなんぞや? とは思うものの、なかなかうまい酒だ。
 春の香りの和え物に山陰山間部の酒を合わせて、やや深酒となる。
 
2009年1月10日
木次酒造
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、スルメイカへ
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