日本酒図鑑: 2007年4月アーカイブ

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 さて、この「墨廼江」という酒はなかなかうまい。やや軟であって、硬ではない、一見平凡な味わいだが、飲んだあとに快い余韻が感じられる。しかもどちらかというと辛口の部類。
 これほどいい酒なのだから、昔から知っていてもいいように思えるのだが、「墨廼江」をよく見かけるようになったのは、ここ5、6年のことではないだろうか? 宮城県の石巻近辺というと「一ノ蔵」や「浦霞」という時代が長く、この「墨廼江」などまったく知らないでいたもの。昔から旨酒を造っていて知らないで過ごしていたなら損したなモーという悔悟の念が浮かぶ。
 このラベルの派手さ加減はやや気になるが、純米酒で2500円弱という値段も、そして酒の味わいの方向性もボクにあっている。これは愛飲したいな。

墨廼江酒造 宮城県石巻市千石町8-43

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 最近の日本酒というのがはっきりいってわけがわからん。この楯の川という酒もそうで「蓋麹法」ってなんなんだろう? ようするに、ただの酒飲み(ボクのような)にはうるさいだけの、気持ちの悪い文字でしかない。こんなもの奥の方に隠して企業秘密にすればいいだろう。ほんとうにどうでもいいことをダラダラと書き連ね、しかも所謂品のないラベル文字ばっかり並ぶようになって、昨今の日本酒業界はおどろおどろしい。バカじゃないのと言ってやりたい。
 昨日も聖蹟桜ヶ丘の小山商店で酒を選んでいたら気色わるい酒のラベルに妖気を感じておののいた。日本酒業界よ「まるで味の試行錯誤をやりすぎて味覚オンチのなったラーメン業界の大バカ野郎ども」のようになるのではないぞ。

 まあ、そこまでは外見の話で、味わいが良ければいいのだ。この特別純米の味わいは冷やで飲む限りは変な御託を並べる割に、いたって平凡なものだ。酸味が感じられるが嫌な感じではなく、やや辛口なのだろうか、飲みやすい。飲みやすいが旨味があるのは「蓋麹法」のせいなのかな? そんなこと酒を飲んでいて考えたくもないものだ。
 冷やで飲む限り、この酒の2600円ちょい超えという値段はちょっと割高かな。それが燗をすると、かなり旨味が浮いて、切れもある。酒の肴のフキのたきものの微かな苦みも渋みも、邪魔しないのはいい感じだ。ということでぬる燗なら値段以上である。でも冷やはダメ。ということで“いちいち燗をしてくれる優しい妻を持たない”ボクにはダメな酒と言えるのだ。

楯の川 山形県酒田市山楯字清水田27

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