海老名市在住の海老さんにいただいたもの。変な話だが、酒の名が「えびなの里」という「えび三連発」がすごいインパクトを感じる。海老名市というのは相模のど真ん中、厚木市のとなりにある目立たない町である。でもその昔、相模国分寺かが置かれた地なのだから由緒正しい。でも相模一帯自体が日本酒と結びつかない。
「相模の酒がうまいのだろうか?」と疑問符を感じながら飲んでいたら、意外にというか、真っ向正面切ってうまい。無名の酒蔵で純米吟醸というと、だいたい強すぎる吟醸香とか、華やかすぎる味わいに幻滅を感じることが多々ある。ところがこの「泉橋酒造」の凄いところは、ややそっけないくらいに吟醸香を抑えている。そして飲み口に旨味が感じられる。杯を重ねて、旨味、辛さ、そして香りを堪能できる。いい酒だ。
「泉橋酒造」を知らないでいたのは隣、多摩地区に住む身には不覚だった。
海老名の海老さんはかなりの酒豪らしい、そしてときどきその笑顔からもれる言葉に不思議な余韻を持たせる人だ。ひょっとしたら「この酒の良さがわかるかな?」と試された気がする。
追伸。
後日、都内各所で「泉橋」の文字を見かける。この酒、すでに日本酒の世界ではある程度の知名度があった模様だ。
海老名の海老さん、うまい酒、ありがとうございました。