2007年3月アーカイブ

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 これは千葉の海人つづきさんが山口からのお土産に買ってきてくれたもの。これがワンカップなのか、どうか悩むところだが、ワンカップコレクター太郎が「ボクこれ大好きだよ父ちゃん」と喜んでいるので“ワンカップ陶器科”に属するということにする。
 実を言うとワンカップになっている「フグのひれ酒」でうまいものに出合ったことがない。皆、熱燗にしてもどこか生臭い。そんなところにまさに本場下関で作られたものが到来して、期待感が膨らむのは当然だろう。そしてその期待感を裏切らぬ味わいであった。

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 酒自体が燗をしてやや辛口なのがいい。そしてトラフグのヒレの風味もそれなりに感じられるし。もちろん、自宅で焦げ目をしっかりつけたフグヒレに超熱燗を注いだ方がいいに決まっている。それでもお手軽にというなら、これで充分なのだ。

ワンカップコレクター太郎の評価/朝のお茶はこれで飲むからね。誰も使っちゃだめだぞ。父ちゃん、そろそろ茶饅頭も欲しいぞ

下関酒造
http://www.sekimusume.co.jp/

トビウオの頬刺し

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 市場通いで鮮魚類を見る以上に面白いのが塩干・惣菜屋。ここでは練り物、干物(乾物ではない)、佃煮やカツのたぐい、はたまたお饅頭やケーキなども売っている。ここでしばしば面白い、掘り出し物を見つける。
 今回のものは八王子綜合卸売センター『フレッシュフーズ福泉』で見つけた「トビウオの頬刺し」、すなわち丸干しである。珍しいな、と発泡のフタを開けると、干物の熟成した、ナレた匂いがする。これがまた非常にいい匂いなのである。まさにずーっと嗅ぎ続けていたい。
 当然、ひと串買ってくることにする。


「福さん、これ産地とかラベルないのかな?」
「どっかないかな」
 福さん、薄い発泡の5段を入れ込んでいた段ボールに産地・生産者などを探す。仕入れた会社にも電話して、
「わからないって、大分か、鹿児島か、って言ってるけどね」
 それでは産地は不明ということになるし、種にたどり着ける可能性はトビウオ科ではまったくなし。

 買ってきたものの、今週は週初めから忙しい。毎日帰り着くのが深夜の2時、3時である。やっとその日の内に帰り着いた水曜日に3本、4本とあぶり、酒を飲む。
 この頬刺しがうまい。やっぱり干物は鮮度はそこそこでもいいから、ある程度熟成し、ナレなければだめだ。そして今回の熟成度は素晴らしい。しかもやや乾き気味でボク好みのもの。焼いているそばから複雑なアミノ酸が醸し出す香り成分が気体となり、あたりに浮遊する。
 これを手でむしりながら口に放り込む。口には香ばしさと、旨味を感じる匂いと、そして実際に舌に感じる旨味とが充満してくる。
 疲れ果てた深夜に、トビウオの頬刺しで八王子、中島酒造の「高尾山」を2合。心地よいひとときを満喫して、仕事の疲れが氷解した。

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