2006年8月アーカイブ

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 常磐線南千住駅のガード下。そこに日本一の飲み屋があるといったら大げさではあるが、懐寂しいお父さんには日本一優しい飲み屋があるといったらこれは間違いない。ガード下に煌々と灯りがともり、そこに馬鹿でかい文字で「大坪屋」とある暖簾。その前のスタンドには「元祖25度酎ハイ」というのと「金宮焼酎」のマーク。
 引き戸を開けて真っ正面が開いていたので勝手に座り、荷物を足の下に置いた。
 といきなり、
「だめ、荷物は後ろ」
 ということで後ろに置くと
「だめ、真後ろにおいて」
 もの凄い命令口調で、そのスペイン風の女将がほえる。いきなり一発カウンターを打たれた気分になったが、そのうち、この女将のまことにきめ細かな接客をしていることがわかってきて、この場所の居心地がよくなってきた。
 とりあえず、煮込みをお願いすると
「もうないんだけど」
 と言いながら最後のひとすくいが目の前に来た。そして酎ハイ200円。壁の品書きを見るとほとんど総てが200円台なのだ。この酎ハイ、煮込みがうまいこと。モツ焼き、酎ハイ、そしてまた酎ハイと重ねて、ときはどんどん経っていく。

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 最後の締めになにか食べたいなと壁面の端っこに300円を超える「丸どじょう」というのを見つけてお願いする。これに一級酒(今ではこんない等級はない)280円で最後とする。

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 どれくらいカウンターで座っていたのだろう。お隣さんからも声がかかり、まことに楽しい時間であった。またスペイン風の女将に会いに来よっと。

 これは八王子の酒販売店「鶴屋」が佐渡名醸に作らせて販売しているもの。多摩周辺の飲食店に売られている。日本酒のみとしては少々味気ないものだが都心の酒屋としては最近さかんにこのような企画販売をしている。
 さて、飲食店で使うのであるから「酒の個性」よりも「肴」を活かすものでなければならない。そう言った意味合いからするとこの「石翆」は合格点に達している。なによりも辛口で切れがよく、ほどほどに醸造された旨味もある。
 さすがに酒を売るプロのコンテンツとしては手堅いが、さて酒好きを自称する人には受け入れられるだろうか?
●八王子市川口の「誠寿し」でいただいたもの

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鶴屋
http://www.sake-tsuruya.co.jp/

 まことに芳醇で飲みやすい酒である。クイクイと喉を通りすぎていく。かといって旨味がないのかというとうまくて、そしてどこまでもなだらかなのだ。このような酒はまったく初めてである。味わいとしてはとても独自なものだ。
 こんなに甘口に感じられて、香りが高く、酸味が薄く、底辺にしか辛さを感じないのに切れがいい、うるさくない酒は初めてだ。まことに困った日本酒としかいいようはがない。たぶん、酒飲みならあっというまに1升瓶が空になるだろう。
 酒の名の「庭の鴬」というのも九州の酒蔵だというのもどうでもいいのだが、これは間違いなく銘酒である。

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2850円
山口酒造場
http://www.niwanouguisu.com/

 埼玉に行きたいと思ったときにできれば酒蔵のある町に行きたいと思った。それで飯能に行ったのだ。そして町に入ったと思って最初に見かけたのが「天覧山」の文字。道沿いの店舗はそっけないもの。でも日本酒なんて見た目で判断してはいけない。
 入って出来るだけ、酒蔵の味わいがわかる「純米酒」、「辛口本醸造」を選んで、また奈良漬けも購入してきた。酒蔵の由緒などは五十嵐酒造のサイトを見てもらうとして、味のことである。
 味わいは淡麗辛口の部類だろうか? 非常に軽い感じ。それなら飲みやすくて切れのいいものか? というとそうでもない。すなわち辛みだけが感じられてうまくないのだ。だいたい辛口の酒というのも甘くないわけではない。甘さというのは旨さでもある。「●●水のごとし」なんてバカな名前の酒があるが、酒は「水のごとし」では絶対にダメ。酒の存在感がないと意味がない。そんな存在感に欠ける酒であった。そして、後のことになるが飯能に行き、こんどは「生酒」というのを飲んでみた。するとこれはなかなかうまいのである。
 余談だが、この天覧山の「純米酒」のラベルが汚い。この文字はなんだろう? どう見ても気品のある文字には思えない。かなり有名な書道家にでも書いてもらたんだろうか、それにしても深い青紫にロゴが黄色、そこに赤い文字が並ぶというのは異常だ。よほどその土地にでも行かない限り、この趣味の悪いデザインには手が出ない。

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五十嵐酒造
http://www.snw.co.jp/~iga_s/index.html

 大阪府能勢町というと炭などで有名ではなかったか、大阪というよりも丹波に近い。大阪の上に張り出した盲腸のような地。
 秋鹿酒造は全種純米酒という、米にこだわりのある蔵。比較的本醸造の好きな向きにはなんだか、真っ正直すぎて、困る。味は今ひとつ好みではない。
 その「全種純米酒」というこだわりの酒蔵にしては受け狙いの可愛らしい鹿の絵柄。「秋鹿」だから紅葉が散り鹿が跳ねる。この絵柄にもう少し日本画の要素を取り入れると中身と調和しそうだ。

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ワンカップコレクター太郎の評価/動物がいちばんいいんだ。鹿かわいい
秋鹿酒造 大阪府豊能郡能勢町倉垣1007

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 16日は、まだ早い時間に神保町をひけて、ちょいと無駄歩きのつもりで千代田線に下りる。日比谷に出て日比谷シャンテに向かう。向こうに見えるのはJR である。ここで『ピクターズパール』という真珠の缶詰を売る店を探したのだがぜんぜん見つからない。
 鹿児島県のアンテナショップである『鹿児島遊楽館』に入って、「やっぱりここはつまらない」と思ったり、うまそうなラーメン屋、一人でも入れそうな飲み屋などの前を通るとき、ふと立ち止まらざるおえない光景が目に入った。有楽町ガード下、古めかしいレンガ造りのアーチから吹き出してくる白い煙。そして刺激的な香り。なぜだかオヤジ心をくすぐりますな、コレ。と考えてみるとここは14、15年前にはたびたび立ち寄ったところではないか。考えてみるとボクの世代でとことんこんなところで酩酊しようじゃないかというヤカラもいなくなった。なんて考えていると変な豚君がこちらを見ている。それは一度も入ったことがない店である。非常に古い話ながら、この反対側の小さな焼きトン屋ではなんども酒を飲んでいる。でも不思議な物で一度店を決めてしまうと、なかなかよそには入らないものである。それが10年以上の歳月ですっかり思いはリセットされている。

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 この店、『登運とん』がよかった。なにより焼きトンがうまい、焼きトンがうまいのは注文してから焼いてくれること。しかも炭火焼き。当然、すぐには出来上がらないから、その間に酒をグビリとやり、これも人気だというモツ煮込みをつまむ。熱燗にした『富貴』の普通酒がなぜだかうまい。何杯でもいけてしまう。
 そしてなによりも心地よいのは店員さんが親切なこと。またてきぱきと素早い接客。これだけでも『登運とん』はいい店だ。
 それに反して今時目新しい凝った造りの居酒屋がニョッキニョッキ生まれているが、どれもバカバカバカ之助の店員だらけ、しかも酒だってなんだか日本酒にゴタクばっかり並べる『ろくでなし(ぼうずコンニャクはコイツらが大嫌いだ)』が選んだ今時のラインナップだったりするのだ。ぼうずコンニャクはそんな今時の店は大大大嫌いだ〜。

 ややほろ酔い気分となって、もっともっとコップ酒を飲みたくなってきた。これが地獄の入り口である。またつまみが欲しくなって、こんどは「やげん」というのを注文する。これは鶏の首の所の軟骨だそうだ。これもうまいな。

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 入ると待っているのは極楽に違いない。でも、やはりそこは大人、熱燗4と酎ハイ1でさらりと店を後にしたのだからぼうずコンニャクは偉い!
 この『登運とん』、朝11時から開いているという。朝からというのは無理だが3時くらいにお茶代わりに、いっぱいひっかけるのもいいだろう。

 越すに越されぬ大井川で有名な静岡県島田市に「かに柳」という料理屋がある。その昔、島田市に古い街道の面影が残っていたとき、いまだ仕舞た屋風の店であったときから通いに通った店である。この店の料理総てが美味、店主の包丁の冴えにただならぬものがあり、珠玉のような刺身をじっくり味わい、楽しんだものである。今も「かに柳」は健在に違いないが板前さん(店主)、女将さん、まだご壮健だろうか。
 この「かに柳」で秋になると待ちに待った酒が到来する。地元島田市「大村酒造」の「おんな泣かせ」という純米大吟醸である。静岡の酒はおしなべて淡麗辛口である。ときにもの足りないくらいに喉越しがよく、ついつい飲み過ぎてしまう。そんななかで大村酒造の普通酒「若竹鬼ごろし」という酒は当時(今の評価ではない。もう一度評価しなおさなくては)やや野暮ったく重い味わいであった。そのため普段その繊細な料理ゆえに「かに柳」で飲むのは同じ静岡県の「開運」ということになっていたのだ。そして秋から冬にかけてだけ「おんな泣かせ」になる。
「この酒はなかなか手に入らないんだよ」
 と何度も聞かされていて、この旨酒のためにその日いちばんの白身の刺身を注文する。その白身の魚が2月になったばかりの御前崎沖で釣り上がった20センチ上のマダイ。
「こんなタイだからね。刺身でうまいとは思わないダラー。それが……」
 店主はニコリと笑い、それはそれは美しいお造りが出来上がって目の前にある。そして「おんな泣かせ」の4合瓶。この意外な刺身のうまさに、願ってもない「おんな泣かせ」。我が人生でも忘れられないときであった。
 そのマダイは店主自ら釣り上げたもの。釣り師としては物足りぬものであるが、驚くばかりにうまい。「どうしてなんだ」という思いは駿河湾、遠州灘のマダイを味わった方は思い当たるはずだ。どうにも静岡沖のマダイは瀬戸内海、東京湾などと比べると大味だとばかり思っていたら真冬のマダイは天下の美味であるらしい。それがこの小ダイをきっかけに思い知ることとなったのだ。
 懐かしいな。もうかれこれ10年以上島田に行っていないし、またそう簡単に行けそうもない。そして忘れかけたときにまた「おんな泣かせ」と出合うことになる。

 この「おんな泣かせ」を見つけたのは八王子市甲州街道に面する「am pm」においてである。この店、たぶん昔は酒屋であった模様で外見はコンビニ。でも入るとすごいという典型な目立たぬ名店である。久しぶりに見つけた「おんな泣かせ」は4合瓶で1850円。子だくさんの我が家では高級品であるがこのところ慌ただしく疲労困憊している身にせめてものご褒美である。
 魚はホヤの身と広島県倉橋島の「このこ(ナマコの卵巣の塩漬け)」を和えたもの。これで余計に「おんな泣かせ」の辛さが引き立ち、また抑制されていながらフルフルと口中上部に広がる醸造香にしびれてしまう。懐かしいような不思議な気分だが辛さが増して、より「鬼ごろし」となった微妙な変化を感じてしまう。
 また行きたいではないか島田、そして「かに柳」。

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大村酒造
http://www.oomuraya.

 ワンカップに力を入れているのか、お茶らけて遊んでいるのかわからない銘柄である。名前が面白くて味わいが平凡なものをどう取り扱っていいものかわからない。ということで味に関しては、どうこう言っても始まらない。でも茨城県取手市というと都心への通勤圏、なんとも味わいのない町であると記憶する。
 でもこんな名前の酒があるのだから、じっくり歩くと面白いのだろうか? まあどうでもいいけど「がま伝説」とはなんぞや?

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賜杯桜酒造 茨城県取手市和田1010

 東京都多摩地区、青梅などには思った以上にたくさんの日本酒の醸造元がある。それが意外に水準が高いものなのだ。その中でも、ボクの好みの酒を醸しているのが石川酒造である。
 懐寂しいお父さんであるので1升の予算は2000円以内。このクラスでうまい酒を造っているのがもっとも良き蔵元という論法が成り立つのが、また面白いことに日本酒の世界である。すなわち値の高い酒だけがいい酒蔵は「ろくなもんじゃない」のだ。東京など都会ではいざしらず、日常的に吟醸酒を飲むなんて、一般家庭では無理も無理。またいい肴があって、だから値の高い酒がいいのかというと、これもまったく間違いであるのだ。
 下町の大衆酒場で飲(や)る2級酒(今ではこんな等級はないが下町では現役で使われている)、これなど1ぱい200円から250円なのだから合成酒かも知れない。ただ、この2級酒を「うまい」と飲めるようにならないと「ダメダメ野郎」なのだ。
 さて話はハズレに乱れてしまったが、多摩自慢の「上撰本醸造」1890円、「佳撰 辛口」1643円が値段からしてうまい。ともに辛口で切れがいい。それなのに味わいも深い。ボクなど懐が寂しいときには「佳撰 辛口」という選択が増えるがこれなら晩酌でむなしい気分にならなくてすむ。

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石川酒造 東京都福生市熊川一番地
http://www.tamajiman.com/index.html

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 北千住でいちばん行ってみたかったのが「大はし」、そして二番が「大升」なんである。でも実際に「大升」ののれんをぐるるとこのふたつの「大」は比べるとか、比べないとかではなく、ともに「すごい酒場である」というのを思い知ったのだ。そしてともに「また行きたい度合い」は同じになった。
 旧日光街道からひとつ北千住駅線路に近い通りはまさに飲み屋やキャバクラ、そしてソープランドまである歓楽街ともいえそうなところ。でも建物は木造や古いものが多いので鄙びている。また、ここも歩いていて懐かしい気持ちになるのだ。

 そしていちど線路沿いに出て見つけたのが「大升」なのだ。ここは線路側からも、歓楽街の細道からでも入ることが出来るようだ。入ったら偶然にも席がひとつだけ空いていた。そこに腰掛けると、とりあえず酎ハイボール、そして煮込み。

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 大衆酒場にきたらとにかく煮込みである。酎ハイボールは「大はし」での梅割を炭酸で割ったもの。そこにステンレスの小鍋に入った牛すじ煮込みがやって来た。煮染められた豆腐に軟らかく甘い牛すじ、白ネギの辛みがとてもきいている。これはまさに千住で2番、そして一番は欠となっているうまさだ。

 酎ハイボールをもう一杯、そしてもう一杯、と飲(や)り、何かもう一品頼みたくなる。それでテーブルにあった「おすすめの品」を見ていく。「新鮮なレバ刺し330円、大好評レバニラ玉子いため350円、胃の消化に千枚刺し350円、おひたし250円、ホルモンいため400円、ジャンボ玉子焼き300円」、ホルモンいための400円を除いてどれも300円台なのがうれしい。中から千枚刺しを注文した。

 出てきたのは四角い皿に千枚、キュウリ、みょうが、ニンジンを酸味のあるピリカラのタレで和えたもの。これが絶品だった。何しろホルモンだから少々重苦しい食べ物を想像していた。あにはからんや、これが爽やかで、しかも旨さに溢れたものである。なによりも千枚(牛の第3胃)が新鮮なのか臭みが全くなく、それどころか噛みしめると微かに甘く、ジワリと旨味が染み出してくる。そこにキュウリやみょうがといったさわやかで香り豊かな野菜がからんでくる。これはうまい。うまい上に皿に山をなしてある。ついでに酎ハイボールをお代わりして、あえなく「もうダメ」という状況に陥る。

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 ちょっと足取りがおぼつかなく、それでもお勘定を済ませて、駅に向かう。後は野となれ! なのだ。
 後日、品書きの画像を見直すと、この「大升」には惹かれる肴がきら星のごとくあるのを知る。こんどは「大升」を目差して北千住。そして全部食べてみるのだ。酎ハイは5杯までで我慢するぞ。無理だ!

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 利根川の川港として江戸時代から栄えた佐原は、今でも江戸情緒が残る町である。ここに全国的にも有名な酒蔵が2軒あって、そのひとつが「東薫」である。この「二人静」なんてなかなかいい酒であり、立ち寄るたびに求めてきている。
 そんな「東薫」にもワンカップがあったんだ、という驚きとともに原材料を見てまたビックリ。糖分・酸味料添加なのだ。銘酒蔵でもこんな酒を造るんだな? と怒りを感じるのは無知なヤカラ。地方の酒蔵だけでなく多くの醸造元が、所謂普通酒という安酒を用意している。これが意外に優劣があって面白いと思えるくらいじゃなきゃ酒飲み失格なのだ。
 そして、この「あやめカップトウクン」、絶妙なバランスの味わいでなかなか魅力的なのだ。これは職人技とでも言えそうだ。このランクの酒では自家醸造したものではないだろうが技ありの良き酒である。
 水郷佐原にふさわしくアヤメのワンカップ。これちょっとインパクトに欠ける。とキャップを見ると面白い絵柄なのだ。浪人が刀を抱えて大どっくり、杯に旨酒を満たしてうまそうに飲む。これ天保水滸伝の平手造酒なんだろうか、味のある絵で、何度見ても見飽きない。こちらをワンカップの絵柄として使うとワンカップの覇者になれそう。しかしいい絵だな。誰が描いたんだろう?

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ワンカップコレクター太郎の評価/だからーー、花は嫌いだって言っただろう。バカだなお父は!
(ちなみにこれは所謂よくある「どうでもいいから花でいこうや」というものではない。水郷佐原はアヤメで有名なところ)
●千葉の海人 つづきさんから

東薫酒造
http://www.tokun.co.jp/

 千葉県勝浦はクロダイ釣りで通いに通った町である。そして民宿などに泊まると出てくるのが「腰古井」か「東灘」。これがともにうまいのである。当時民宿で出していたのは当然のごとく二級酒というやつ。そんな安酒の「腰古井」がうまいのは疲れていたせいだろう、と思っていた。それが改めて糖類添加のワンカップを飲んだら、意外や間違いなくいい酒である。
 これは安い酒こそ漁師などに愛されているわけで、そんな海辺の町の酒であることを大切にしているのではないか。ついこういった想像を巡らせてくれる。そう言えば千葉県に関しては海辺の酒はうまいが、山間部の酒はまずい、という気がする。
 このワンカップの持ち味はうまいのに切れがいいこと。すなわちクイクイいけるのだ。だから飲み過ぎには注意が必要だろう。
 さて、ボクからの「腰古井」の飲み方の提案。それはワンカップをクーラーに2〜3本、夕方に串浜の堤防に入って夜を明かしでクロダイ釣り。潮が動かなくなって当たりが遠のいたら月を愛でながら「腰古井」を飲む。残念ながらこんなことをやっていたらクロダイの形は見ないで終わるだろうな。

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ワンカップコレクター太郎の評価/絵がないから×
 
吉野酒造 千葉県勝浦市植野 571
http://koshigoi.com/

「山桜梅」で名を馳せる有名酒蔵である。現当主で55代目ということだから信じられないほど古い家だ。ボク的にはいかにも由緒ありげな、こんな酒蔵が嫌いなのだが、それと酒の味わいは別物である。すなわちうまい酒なのだ「郷の誉(郷乃誉)」は。
 なにしろジワリと深みのある味わいが舌に残る。残るのに辛口に感じるのは一定の辛みが通奏低音のように続くからだろう。
 ワンカップでこれだけの味わいを堪能させられたら、当然一升瓶も買いたくなるだろう。

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須藤本家
http://www.sudohonke.co.jp/main/1.html

 若いときときどき無性に山に行きたくなって、八ヶ岳の頂上を目差さないで周辺の町や村を散策。また昆虫や魚をとって、野宿をしていた。そんな帰り道に買うのが「谷桜」なのであった。この「谷桜」、山梨にあって銘酒の誉れ高いもの。それが意外なことに地元の普通の酒屋にはなくて、なかなか苦労して探したものだが、今はどうなんだろうか?
 さて、「谷桜」というのは好みの酒である。鋭角的な辛口の酒が好きなのだけれど、谷桜は旨口というか軟らかな味わいの酒である。良酒という言葉に置き換えても谷桜を表現できるだろう。決して今風に飲みやすさ、切れのよさを追いかけていない。昔ながらの酒の味わいが残っている。
 ボク的にはぬるく燗をつけたのがいいのだけれど。ワンカップなので、そのままお湯(ガス台の上には置かない)につけて食卓に。これでちょうどぬる燗になる。夏のぬる燗もいいな〜と、肴は八王子並木町「魚茂」茂じいさんのビンテージ・イカの塩辛。この良さはオヤジにならないとわからないもの。年取って良かったな。

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谷桜酒造 〒409-1502 山梨県北巨摩郡大泉村谷戸2037

「尊皇」とはまた右傾化した名の酒で幡豆には何度か立ち寄っているが敬遠していた。どうにもリベラルな世こそ至上と思っているので「文字」からしてイヤなのだ。でも酒自体とは別物だと思い知ったのが今回のワンカップである。
「焚火」という意味不明の商品名。その脇に「若水辛口」とある。若水は酒米の品種名。これを醸して辛口の酒を造ったと言うことらしい。その味わいはすこぶるボクの好みにあっている。辛口でありながら味わいがある。そして最初の辛みが後々までだれない。どこまでも余韻として残る。
 ワンカップでこれだけの味わいを堪能したら、またなおさらに三河に行く楽しみが増えたと言うこと。酒の商標には引っかかるがいい酒だな。

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山崎合資会社 愛知県幡豆町大字西幡豆字柿田57 
http://www.sonnoh.co.jp/

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