16日は、まだ早い時間に神保町をひけて、ちょいと無駄歩きのつもりで千代田線に下りる。日比谷に出て日比谷シャンテに向かう。向こうに見えるのはJR である。ここで『ピクターズパール』という真珠の缶詰を売る店を探したのだがぜんぜん見つからない。
鹿児島県のアンテナショップである『鹿児島遊楽館』に入って、「やっぱりここはつまらない」と思ったり、うまそうなラーメン屋、一人でも入れそうな飲み屋などの前を通るとき、ふと立ち止まらざるおえない光景が目に入った。有楽町ガード下、古めかしいレンガ造りのアーチから吹き出してくる白い煙。そして刺激的な香り。なぜだかオヤジ心をくすぐりますな、コレ。と考えてみるとここは14、15年前にはたびたび立ち寄ったところではないか。考えてみるとボクの世代でとことんこんなところで酩酊しようじゃないかというヤカラもいなくなった。なんて考えていると変な豚君がこちらを見ている。それは一度も入ったことがない店である。非常に古い話ながら、この反対側の小さな焼きトン屋ではなんども酒を飲んでいる。でも不思議な物で一度店を決めてしまうと、なかなかよそには入らないものである。それが10年以上の歳月ですっかり思いはリセットされている。
この店、『登運とん』がよかった。なにより焼きトンがうまい、焼きトンがうまいのは注文してから焼いてくれること。しかも炭火焼き。当然、すぐには出来上がらないから、その間に酒をグビリとやり、これも人気だというモツ煮込みをつまむ。熱燗にした『富貴』の普通酒がなぜだかうまい。何杯でもいけてしまう。
そしてなによりも心地よいのは店員さんが親切なこと。またてきぱきと素早い接客。これだけでも『登運とん』はいい店だ。
それに反して今時目新しい凝った造りの居酒屋がニョッキニョッキ生まれているが、どれもバカバカバカ之助の店員だらけ、しかも酒だってなんだか日本酒にゴタクばっかり並べる『ろくでなし(ぼうずコンニャクはコイツらが大嫌いだ)』が選んだ今時のラインナップだったりするのだ。ぼうずコンニャクはそんな今時の店は大大大嫌いだ〜。
ややほろ酔い気分となって、もっともっとコップ酒を飲みたくなってきた。これが地獄の入り口である。またつまみが欲しくなって、こんどは「やげん」というのを注文する。これは鶏の首の所の軟骨だそうだ。これもうまいな。
入ると待っているのは極楽に違いない。でも、やはりそこは大人、熱燗4と酎ハイ1でさらりと店を後にしたのだからぼうずコンニャクは偉い!
この『登運とん』、朝11時から開いているという。朝からというのは無理だが3時くらいにお茶代わりに、いっぱいひっかけるのもいいだろう。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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