北千住「大升」で記憶を失う

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 北千住でいちばん行ってみたかったのが「大はし」、そして二番が「大升」なんである。でも実際に「大升」ののれんをぐるるとこのふたつの「大」は比べるとか、比べないとかではなく、ともに「すごい酒場である」というのを思い知ったのだ。そしてともに「また行きたい度合い」は同じになった。
 旧日光街道からひとつ北千住駅線路に近い通りはまさに飲み屋やキャバクラ、そしてソープランドまである歓楽街ともいえそうなところ。でも建物は木造や古いものが多いので鄙びている。また、ここも歩いていて懐かしい気持ちになるのだ。

 そしていちど線路沿いに出て見つけたのが「大升」なのだ。ここは線路側からも、歓楽街の細道からでも入ることが出来るようだ。入ったら偶然にも席がひとつだけ空いていた。そこに腰掛けると、とりあえず酎ハイボール、そして煮込み。

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 大衆酒場にきたらとにかく煮込みである。酎ハイボールは「大はし」での梅割を炭酸で割ったもの。そこにステンレスの小鍋に入った牛すじ煮込みがやって来た。煮染められた豆腐に軟らかく甘い牛すじ、白ネギの辛みがとてもきいている。これはまさに千住で2番、そして一番は欠となっているうまさだ。

 酎ハイボールをもう一杯、そしてもう一杯、と飲(や)り、何かもう一品頼みたくなる。それでテーブルにあった「おすすめの品」を見ていく。「新鮮なレバ刺し330円、大好評レバニラ玉子いため350円、胃の消化に千枚刺し350円、おひたし250円、ホルモンいため400円、ジャンボ玉子焼き300円」、ホルモンいための400円を除いてどれも300円台なのがうれしい。中から千枚刺しを注文した。

 出てきたのは四角い皿に千枚、キュウリ、みょうが、ニンジンを酸味のあるピリカラのタレで和えたもの。これが絶品だった。何しろホルモンだから少々重苦しい食べ物を想像していた。あにはからんや、これが爽やかで、しかも旨さに溢れたものである。なによりも千枚(牛の第3胃)が新鮮なのか臭みが全くなく、それどころか噛みしめると微かに甘く、ジワリと旨味が染み出してくる。そこにキュウリやみょうがといったさわやかで香り豊かな野菜がからんでくる。これはうまい。うまい上に皿に山をなしてある。ついでに酎ハイボールをお代わりして、あえなく「もうダメ」という状況に陥る。

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 ちょっと足取りがおぼつかなく、それでもお勘定を済ませて、駅に向かう。後は野となれ! なのだ。
 後日、品書きの画像を見直すと、この「大升」には惹かれる肴がきら星のごとくあるのを知る。こんどは「大升」を目差して北千住。そして全部食べてみるのだ。酎ハイは5杯までで我慢するぞ。無理だ!

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このページは、管理人が2006年8月 9日 22:58に書いたブログ記事です。

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