遭難するのは簡単、南千住「大坪屋」

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 常磐線南千住駅のガード下。そこに日本一の飲み屋があるといったら大げさではあるが、懐寂しいお父さんには日本一優しい飲み屋があるといったらこれは間違いない。ガード下に煌々と灯りがともり、そこに馬鹿でかい文字で「大坪屋」とある暖簾。その前のスタンドには「元祖25度酎ハイ」というのと「金宮焼酎」のマーク。
 引き戸を開けて真っ正面が開いていたので勝手に座り、荷物を足の下に置いた。
 といきなり、
「だめ、荷物は後ろ」
 ということで後ろに置くと
「だめ、真後ろにおいて」
 もの凄い命令口調で、そのスペイン風の女将がほえる。いきなり一発カウンターを打たれた気分になったが、そのうち、この女将のまことにきめ細かな接客をしていることがわかってきて、この場所の居心地がよくなってきた。
 とりあえず、煮込みをお願いすると
「もうないんだけど」
 と言いながら最後のひとすくいが目の前に来た。そして酎ハイ200円。壁の品書きを見るとほとんど総てが200円台なのだ。この酎ハイ、煮込みがうまいこと。モツ焼き、酎ハイ、そしてまた酎ハイと重ねて、ときはどんどん経っていく。

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 最後の締めになにか食べたいなと壁面の端っこに300円を超える「丸どじょう」というのを見つけてお願いする。これに一級酒(今ではこんない等級はない)280円で最後とする。

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 どれくらいカウンターで座っていたのだろう。お隣さんからも声がかかり、まことに楽しい時間であった。またスペイン風の女将に会いに来よっと。


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このページは、管理人が2006年8月28日 13:34に書いたブログ記事です。

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