四日市宮崎本店「亀甲宮焼酎」

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 愛読書というか、ボクの下町への誘いというか『下町酒場巡礼』は何度も何度も読み返している。でも読み返す部分というのが行ってみたい酒場を「行ってみたいな!」と思って読んでいるのであって、コラムの部分はほとんど置き忘れた状態である。そんなとき江東区住吉『高島屋』で出合った「酒場巡礼」中の男性から「亀甲宮」の話がでたのだ。そしていちばんに思い出したのが『下町酒場巡礼』の宮前栄が四日市の工場を訪ねるコラム。ちなみに『高島屋』の焼酎は初めて見るものであるが「亀甲宮」ではなかった。

 そこで住吉で2軒あった酒屋のひとつで買い求めてきたのが「キンミヤ焼酎」である。「おいおいどこにも亀甲宮なんて文字はないだろう」と思ったが、せっかく酒屋のお婆ちゃんが出してくれたんだし、その上、1瓶650円なら安いものだ。帰宅してもう一度『下町酒場巡礼』を見てやはり「キンミヤ」と「亀甲宮」とが同一のものであることが判明する。驚いたことには三重の銘酒「宮の雪」の醸造元でもある。

 さて、甲類焼酎にうまい、まずいなんてあるんだろうか? 考えてみれば下町の酒場にある焼酎は「亀甲宮」という図式も『高島屋』で見る限りない。だいたい彼の酒場でいちばん気になったのは焼酎ではなく「Nihon Citron』と書かれた異常にリサイクル率の高い炭酸であった。そしてとりあえず飲んでみる。ちなみに甲類焼酎を生で飲むのは初めての経験だ。これが思ったよりも軟らかく、ほんのり甘い。「飲めるじゃないか」と思って、我が家にもう一種類の甲類焼酎があるのを思い出してそちらも飲む。この●●タンも思ったより軟らかい、軟らかいが滑らかではない、少しトゲトゲする。でもこれを持って酎ハイには「亀甲宮」でなければダメということになるのだろうか?

 こんなことがあって酎ハイのことを立ち話していたら寿司屋の若だんなが
「うちでも酎ハイが出るんだけど、梅の味の甘い液体があるの、酎ハイ専用の、あれいれると、寿司に合ねーのさ。それで工夫してさ、梅酒と35度の焼酎にしてるの」
「35度ってなんか意味あるのかな」
「そっちのほうが雑味がないつうか、クリアな感じがするわけ」
「焼酎自体の味に気になったことないのかな」
「ないない」
 焼鳥屋もすし屋も割烹料理屋も多摩地区では焼酎なんかどうでもいいようだ。

 でも、ボクが飲んだ限りでは確かに「キンミヤ」というか「亀甲宮」は軟らかく味にふくらみがある。甲類焼酎の世界も奥が深そうだ。

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宮崎本店
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このページは、管理人が2006年7月 2日 11:17に書いたブログ記事です。

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