愛知県津島市は古い街並みと、また素晴らしい味の店があり、本当にいいところである。その市内を地元の、うなたろう君に案内してもらって「長珍酒造」にたどりついた。津島神社の神域に近い町屋の中に一歩踏み入れて、その吹き抜けの土間。遙か高きから明かりが漏れ落ちてきている。そこで酒を一本もとめて帰ろうとして、御当主らしき老人とひととき話し込んだ。残念ながら酒蔵から直接買うことはできないとのことであるが、静かで有意義な一時を過ごさせてもらった。
それで市内の酒屋で見つけたのが「長珍 特別純米酒 1425円」である。ロゴのデザインはやや現代的で金色の箔を押しているのが印象的。このようなうるさい瓶はあまり好きではない。ただデザインとしては優れているな。
特別純米酒とあるのは精米度が60、これを小仕込みで醸し熟成させてあるとラベルに書かれている。その口に含んだときの香りは意外に控えめ。この抑制された香りがいい。香りが適度な分、ゆったりと味わうことが出来る。舌に受けて初めに来るのが辛さ、これがほどよく持続する。そこに旨味と甘さが来てすぐに消えていくのだ。
これはうまい酒だ。軽く燗をつけても冷やでもいける。720ミリリットルを買ってきたのは大失敗であった。
購入は津島市内「古川屋」
長珍酒造 愛知県津島市本町3の62
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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千葉県君津市 原本店「鹿野山」 後の記事 »
新潟県和嶋村池浦酒造株式会社「和楽互尊」
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