山梨県富士吉田市、都留市などで目につく酒、これがなぜか「英勲」なのである。酒に詳しくない我が妻など「英勲」を山梨の地酒だと思い込んでしまったほどだ。
気になって富士吉田の酒屋をのぞくと実際に「英勲」がずらりと並ぶ。帰る前に一本買ってみようとしていながら買いそびれてしまって、東桂、都留と下る坂道でも「英勲」の文字を見るのだ。結局、高速にのる都留でスーパーに入り、酒売り場に並んでいた「英勲」普通酒1610円を買ってくる。
ラベルには京都府伏見の酒であることがあり、どうして山梨にこれほど「英勲」が並んでいるのか、結局わからずに終わる。本当になぜなんだろう。
買ってきたのは「英勲」でも安いもの。昔の二級酒にあたるのだろう。ラベルがなんだか不思議な八角形の囲みの中に「英勲」の文字がある。この八角形が勲章のメダル部分であり、「英勲」の「勲」は勲章の一字であるようだ。
アルコールはもとより、糖分、酸味料まで添加している。とうぜん生で飲むとややべたつく。甘くはないが、なぜかべたつくのだ。それではと熱燗にしてみると、これが辛口に変身していい味わいなのだ。これは富士吉田の古めいた居酒屋で一献といきたい鄙びた、そして時代遅れの味わいである。きっと団塊の世代ならこの良さが、ボクよりももっと身にしみるだろう。
最後に、やっぱりどうしても「山梨に英勲」の関係がわからない。不思議で仕方ない。
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トビウオの頬刺し
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