高知県佐川「豊麗 司牡丹 純米酒」2460円

0

tukasabotan0702.jpg

「同じ四国でも徳島の酒にろくなもんがない」、そんなことを言いながら酒を浴びるように飲んでいた友がいた(今でも生きているが)。これは本当のことでボクの親戚筋にも酒蔵があって、それがまさしくべたべたの日向臭い甘酒であった。とても冷やではのめない。
 そこへいくと土佐の「司牡丹」は冷やでうまいのである。これは二十歳すぎに1本飲みきって痛感したこと。やはり酒は辛口がいい。でもそれからいろいろ銘柄を飲み漁る内に「司牡丹」を飲む機会は皆無となってきた。なぜならば「三千盛」や「浦霞」、「鄙願」などと比べるに味わいに欠けるように思えてきたからだ。

 そして久しぶりの「司牡丹」。さすがに辛口でうまいのだが、後一歩味わいにもの足りないところがある。
 辛口の酒は旨味が薄いのかというと、けっしてそうではない。どーんとした辛みが通奏低音のように続き、様々な旨味が舌を楽しませる。そして喉越しがいいから、その旨味がすぐに消えて芳醇な香りだけが残る。これがボクの理想である。「司牡丹」はこの旨味と辛みのバランスが悪く、つっけんどんな味わいなのだ。
 このけっして親しみやすくない味わいを改めて味わって、もっと驚いたのは五十路になって意外に「司牡丹」がうまいと思えたことだ。きっと酒の味わうにボクの方の受け皿が広がったためだと思う。長い間「司牡丹」から遠ざかっていたのを悔やむ。


司牡丹
http://www.tsukasabotan.co.jp/


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.zukan-bouz.com/mt-app/mt/mt-tb.cgi/2522

コメントする

このブログ記事について

このページは、管理人が2007年2月12日 09:39に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「八王子総合卸売協同組合「伽や」の韓国風煮込み」です。

次のブログ記事は「京都府伏見「英勲」」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。