これが2000円ほどの酒だろうかという優れものだ。最初、このラベルを見たときはイヤだったのだ。いかにも今時の酒であって「うるさくてかなわんな」という嫌らしい書家の文字。だいたい最近の書家というヤカラには自己顕示欲しか文字に表せないのが多すぎる。ワシははっきり言って書家(書道家、書道愛好家)の文字が大嫌いだ。ましてや商品にこの禍々しさを出すこと自体大嫌い。でもそんなことは些細なことでしかない。
思い出すに、ボクが酒田に行ったのは1988年だからもう20年近く前。その当時、酒田で日本酒を買うとしたら「初孫」という印象が強かった。この菊勇株式会社の創業は1973年であるから、まあ江戸時代より繁栄した湊町酒田としては新興の酒蔵だろう。だから酒田で地酒を探しても気がつかなかったのだ。また居酒屋、酒屋などに「三十六人衆」という文字が目立ち始めたのもここ数年のことに違いない。ともかくまた山形に銘酒を見つけたわけで「恐るべし酒どころ山形」なのである。
さて「三十六人衆」本醸造の味に話をもどすと、何と言っても冷やで飲んで、適度な辛さがやや長く続き、旨味もある、そして切れがいい。これなら幾らでも飲めそうである。また驚いたことには燗をしても辛口で嫌みがない。値段からすると最高の日本酒のひとつだ。
菊勇株式会社 酒田市黒森字葭葉山650
http://www.kikuisami.co.jp/
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