酒のつまみと肴の最近のブログ記事
深夜の酒の肴は中国産松茸720円。まあ、一度に食べる分量としてはこんなものでいいかも。子供の頃は嫌いだった。
ほとんど外出できない日曜日の夜は、保存食のサンマを焼いて肴にする。長いサンマを肛門の後ろから包丁を入れて斜め切り、振り塩をして、ビニールに密閉して冷凍したもの。短時間で焼き上がるのがうれしい。
酒は辛口の「花垣 上撰」。直営店のオバチャンは不親切で嫌な感じだったが、いい味だ。
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昨夜の酒は缶の『酔仙』と長なすに万願寺唐辛子。
『酔仙』の純米酒は柔らかな、優しい味。
深夜の一献に向いていて、癒やされた。
居酒屋でこんなものが出たらいいな、というのがある。
冬のヤリイカの刺身はうまい、だがしかし平凡だ。
むしろ気になるのが、げそや刺身の切れっ端。
これをささっと炒めて出してくれたりすると感動するが、そんな居酒屋には巡り合えたことがない。
我が家でも、こういったものは自分で作らないといけないのが残念。
ボクはいい居酒屋にも家庭にも恵まれないオヤジなのだ。
ヤリイカのげそや切れっ端を、わけぎと炒めて、みりん、酒、砂糖で味つけ。
一味唐辛子を一振りする。
これぞ佳肴というやつなのである。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ヤリイカへ
築地には魚市場とやっちゃ場がある。
関東では青果市場のことを「やっちゃ場」というのだけど、なぜだろう?
広辞苑で「やっちゃ」とは威勢のいいかけ声のことだとある。
威勢のいいかけ声が飛び交う場所ということで「やっちゃ場」なんだろう。
築地正門から右手にあるのが「やっちゃ場」。
ここで見事な「ヒロコ」を見つけた。
「ヒロコ」とは「ひるこ」だろう。
「ひる」はユリ科のネギのたぐいということで、「子」とはまだ小さいと言う意味。
関東では「浅葱(あさつき)」と呼ぶ。
秋田県産であって、これだけで遠く秋田市民市場裏のヒロコや月山竹を売っていた光景が思い出される。
ヒロコはさっと湯がく。
この同じ熱湯の中でスルメイカの短冊を、これまた湯がいて、おか上げしておく。
砂糖、赤酢、煮きり味醂、味噌を合わせて、どろ酢を作り、辛子を練り込む。
あとは説明するまでもないが、食卓に出す直前に和えるだけ。
ちょっと白っぽいが、口に放り込むと、春らしい香りが満ちてきて、スルメイカの甘さと、ヒロコの甘さが合わさってくる。
これに合わせるのは冷や酒に限る。
今回の酒は島根県雲南市木次町の『美波太平洋 純米吟醸』。
山陰なのに太平洋、しかも「美波」とはなんぞや? とは思うものの、なかなかうまい酒だ。
春の香りの和え物に山陰山間部の酒を合わせて、やや深酒となる。
2009年1月10日
木次酒造
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、スルメイカへ
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
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帰宅が2時過ぎ、ふとんにもぐり込んだのが3時過を回った頃、そして6時には寝床から抜け出した。押っ取り刀で身繕いをして国道16号にクルマを走らせる。八王子魚市場到着はびったりの6時半。ここでヒモマキバイさんを待つ。待つほどもなくヒモマキバイさんが到着。そのすぐ後に海老さんも合流する。
八王子魚市場、八王子綜合卸売センター、八王子総合卸売協同組合とふたりを案内。魚などを買い込んでケータイを見ると10時を回ってしまっている。そのまま八王子農協「ふれあい広場」で地物野菜、牛乳を買いだし、神山豆腐店にまわる。
神山豆腐店で「健康納豆、がんもどき2つ、木綿豆腐2丁、そして油揚げ5枚ください」と奥を見る。ちょうど油揚げを作っているところではないか。揚げたての油揚げの袋が熱い。
近所の酒屋で「ばくれん」という本醸造を買い込んで帰宅したのが11時過ぎ。軽くシャワーを浴びて大好きな「永六輔の土曜ワイドラジオ東京」を聞く。かたわらにあるのが神山豆腐店の油揚げ。これがまだ熱いのである。それに海老さんにもらった「つくばね」という小さな大根をおろしで添える。「ばくれん」が辛口でうまい。そこに油揚げで、なかなか豪華な昼酒となる。これで気分がよくなって、やっと午睡。
「麦いか」とは相模湾などでのスルメイカの“でき”、すなわちゼロ歳児イカのこと。冬に生まれたのが麦の刈り入れの時期に湾に寄せるので「麦いか」という。まだ柔らかく、煮いかや、刺身にして独特の味わいがある。
これに離れない程度に包丁目を入れて、テフロンフライパンで油をひかないで素焼き。火が通ったら、酒と醤油を合わせた生姜醤油を回しかける。これなら少々酔っぱらっていても簡単に出来るので「酒の肴にもう一品」というのにもってこいである。
丸ごと焼いたスルメイカだから小さくてもワタは濃厚で旨味がある。そこに柔らかい身に甘味があって、なんとも言えず、複雑な味わいなのである。これなら多少ヘボな日本酒の“まずさ隠し”にもなる。
市場魚貝類図鑑のスルメイカへ
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市場通いで鮮魚類を見る以上に面白いのが塩干・惣菜屋。ここでは練り物、干物(乾物ではない)、佃煮やカツのたぐい、はたまたお饅頭やケーキなども売っている。ここでしばしば面白い、掘り出し物を見つける。
今回のものは八王子綜合卸売センター『フレッシュフーズ福泉』で見つけた「トビウオの頬刺し」、すなわち丸干しである。珍しいな、と発泡のフタを開けると、干物の熟成した、ナレた匂いがする。これがまた非常にいい匂いなのである。まさにずーっと嗅ぎ続けていたい。
当然、ひと串買ってくることにする。
「福さん、これ産地とかラベルないのかな?」
「どっかないかな」
福さん、薄い発泡の5段を入れ込んでいた段ボールに産地・生産者などを探す。仕入れた会社にも電話して、
「わからないって、大分か、鹿児島か、って言ってるけどね」
それでは産地は不明ということになるし、種にたどり着ける可能性はトビウオ科ではまったくなし。
買ってきたものの、今週は週初めから忙しい。毎日帰り着くのが深夜の2時、3時である。やっとその日の内に帰り着いた水曜日に3本、4本とあぶり、酒を飲む。
この頬刺しがうまい。やっぱり干物は鮮度はそこそこでもいいから、ある程度熟成し、ナレなければだめだ。そして今回の熟成度は素晴らしい。しかもやや乾き気味でボク好みのもの。焼いているそばから複雑なアミノ酸が醸し出す香り成分が気体となり、あたりに浮遊する。
これを手でむしりながら口に放り込む。口には香ばしさと、旨味を感じる匂いと、そして実際に舌に感じる旨味とが充満してくる。
疲れ果てた深夜に、トビウオの頬刺しで八王子、中島酒造の「高尾山」を2合。心地よいひとときを満喫して、仕事の疲れが氷解した。
最初はビールと言うときに枝豆、ポテトフライ、鶏唐揚げなんかとともに、ついつい食べたくなるのが「竹輪の磯辺揚げ」である。ようするに竹輪の天ぷらなんだけど、衣に青海苔を混ぜたもの。これを高温で香ばしく揚げる。
竹輪には関東系のものと関西系の2種類がある。関西系はすり身にして、まず水で晒して水溶性のミオシン(タンパク質)を洗い流してしまう。こうすると特有の足(弾力)が生まれるのだが、旨味も少なくなる。関東系のは水晒しをしないので旨味が強いが弾力には欠けるのだ。竹輪の天ぷらには何と言っても関東系の旨味のあるもそっとした食感の物がいい。これを縦に2つ割。ボウルにいれた小麦粉を軽くまぶして、無駄な小麦粉をよくはたく。こんどはそのボウルに水いれて適度に衣を作り、青海苔、もしくはアオサを入れる。衣をつけて高温で揚げて出来上がりなのだ。
作り方のコツは表面はカリっと香ばしく、中ほどはにゅるっと柔らかく、衣の青海苔の香りが立っているとうまいのである。こんなものがおつまみ界のオヤジ殺しとされるのだ。また家庭で食べるときには子供にはくれぐれも注意が必要だ。揚げるそばから食べられて、お父さんには1本だけしか、ときには子供のかじった半本ということも起こりかねない。