2007年2月アーカイブ

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 山梨県富士吉田市、都留市などで目につく酒、これがなぜか「英勲」なのである。酒に詳しくない我が妻など「英勲」を山梨の地酒だと思い込んでしまったほどだ。
 気になって富士吉田の酒屋をのぞくと実際に「英勲」がずらりと並ぶ。帰る前に一本買ってみようとしていながら買いそびれてしまって、東桂、都留と下る坂道でも「英勲」の文字を見るのだ。結局、高速にのる都留でスーパーに入り、酒売り場に並んでいた「英勲」普通酒1610円を買ってくる。
 ラベルには京都府伏見の酒であることがあり、どうして山梨にこれほど「英勲」が並んでいるのか、結局わからずに終わる。本当になぜなんだろう。
 買ってきたのは「英勲」でも安いもの。昔の二級酒にあたるのだろう。ラベルがなんだか不思議な八角形の囲みの中に「英勲」の文字がある。この八角形が勲章のメダル部分であり、「英勲」の「勲」は勲章の一字であるようだ。
 アルコールはもとより、糖分、酸味料まで添加している。とうぜん生で飲むとややべたつく。甘くはないが、なぜかべたつくのだ。それではと熱燗にしてみると、これが辛口に変身していい味わいなのだ。これは富士吉田の古めいた居酒屋で一献といきたい鄙びた、そして時代遅れの味わいである。きっと団塊の世代ならこの良さが、ボクよりももっと身にしみるだろう。
 最後に、やっぱりどうしても「山梨に英勲」の関係がわからない。不思議で仕方ない。

英勲
http://www.eikun.com/

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「同じ四国でも徳島の酒にろくなもんがない」、そんなことを言いながら酒を浴びるように飲んでいた友がいた(今でも生きているが)。これは本当のことでボクの親戚筋にも酒蔵があって、それがまさしくべたべたの日向臭い甘酒であった。とても冷やではのめない。
 そこへいくと土佐の「司牡丹」は冷やでうまいのである。これは二十歳すぎに1本飲みきって痛感したこと。やはり酒は辛口がいい。でもそれからいろいろ銘柄を飲み漁る内に「司牡丹」を飲む機会は皆無となってきた。なぜならば「三千盛」や「浦霞」、「鄙願」などと比べるに味わいに欠けるように思えてきたからだ。

 そして久しぶりの「司牡丹」。さすがに辛口でうまいのだが、後一歩味わいにもの足りないところがある。
 辛口の酒は旨味が薄いのかというと、けっしてそうではない。どーんとした辛みが通奏低音のように続き、様々な旨味が舌を楽しませる。そして喉越しがいいから、その旨味がすぐに消えて芳醇な香りだけが残る。これがボクの理想である。「司牡丹」はこの旨味と辛みのバランスが悪く、つっけんどんな味わいなのだ。
 このけっして親しみやすくない味わいを改めて味わって、もっと驚いたのは五十路になって意外に「司牡丹」がうまいと思えたことだ。きっと酒の味わうにボクの方の受け皿が広がったためだと思う。長い間「司牡丹」から遠ざかっていたのを悔やむ。


司牡丹
http://www.tsukasabotan.co.jp/

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 この「伽や(この漢字が出ない)」は八王子の市場では唯一の韓国食材、キムチの店である。まあキムチでは定評があるのは当然なのだけれど、ボクにとっては八王子でいちばんの朝飯どころでもある。そこで最近売り出したのが韓国風の煮込みである。大根、ニンジン、コンニャクに牛すじというのは在り来たりだが、ここにピーマンが入っているのが斬新。
 煮込まれた牛肉はホロホロと柔らかく、コンニャクの食感がいい、そこにピーマンの青くさみのなんとも爽やかなのである。味つけはぴりっと辛く、醤油味なんだろうか、コチュジャンなんだろうかコクがある。
 これがご飯のおかずにもなるが、マッコリルや焼酎にも合うのである。

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八王子の市場に関しては
http://www.zukan-bouz.com/zkan/sagasu/toukyou/hatiouji/hatiouji.html

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 最初はビールと言うときに枝豆、ポテトフライ、鶏唐揚げなんかとともに、ついつい食べたくなるのが「竹輪の磯辺揚げ」である。ようするに竹輪の天ぷらなんだけど、衣に青海苔を混ぜたもの。これを高温で香ばしく揚げる。
 竹輪には関東系のものと関西系の2種類がある。関西系はすり身にして、まず水で晒して水溶性のミオシン(タンパク質)を洗い流してしまう。こうすると特有の足(弾力)が生まれるのだが、旨味も少なくなる。関東系のは水晒しをしないので旨味が強いが弾力には欠けるのだ。竹輪の天ぷらには何と言っても関東系の旨味のあるもそっとした食感の物がいい。これを縦に2つ割。ボウルにいれた小麦粉を軽くまぶして、無駄な小麦粉をよくはたく。こんどはそのボウルに水いれて適度に衣を作り、青海苔、もしくはアオサを入れる。衣をつけて高温で揚げて出来上がりなのだ。
 作り方のコツは表面はカリっと香ばしく、中ほどはにゅるっと柔らかく、衣の青海苔の香りが立っているとうまいのである。こんなものがおつまみ界のオヤジ殺しとされるのだ。また家庭で食べるときには子供にはくれぐれも注意が必要だ。揚げるそばから食べられて、お父さんには1本だけしか、ときには子供のかじった半本ということも起こりかねない。

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