ワンカップ図鑑: 2006年10月アーカイブ
この酒、かなり知名度の高いもの。地酒の専門店でも定番となりつつある。
この本醸造のワンカップである。当然、味は抜群にいい。辛口であるようであるが、味わいが深い、これが本醸造なのだからお得な酒でもあるわけだ。越前勝山というのは古い歴史のある町。
過去に一度だけ通り過ぎたことがある。雪の深い時期であった。また訪れてみたいものだし、当然、お土産は「一本義」の一升瓶ということだな。
千葉の海人つづきさんから
神戸市御影といったら名だたる灘五郷、まさに酒どころのなかの酒どころ。でも近年の評判はそれほどよろしくない。それは大手となって樽買いに酒蔵そっくり買いの、どこで作っているのかわからない酒を、それこそ資本力に物言わせ、ブレンドし、まぜこぜ味わいを作りに作って売り払う、そんな「会社」が目立つからだ。しかも日本全国工業製品のようにどこでも売っている酒というイメージがある。
そんななかにあって、この神戸酒心館は酒好適米を宮水で仕込んだ昔ながらの灘の生一本を作っているようである。
そして味わいもすっきり辛口ピンである。飲みやすい、酒飲み好みの味わいもあるし喉越しもよいもの。224円という値段と共にワンカップではベストに近いな。
またボクにとって神戸と言えばこのオレンジジュースのような色合いが「まさに」思い浮かぶ。どうしてなんだろう。この色を見ると神戸に来たと思うのだ。絵柄にもセンスがあるし、このカップいい。
ワンカップコレクター太郎の評価/鶏がいるだろ、嫌いなんだよヒモがついてるし。船だけにして欲しいよな。色もちょっとださいよ。文字は好きだけど
●有楽町、「むらからまちから館」で
神戸酒心館 〒658-0044 神戸市東灘区御影塚町1-8-17 TEL.078-821-2911
http://www.shushinkan.co.jp/index.html
秋田の「秀よし」と言えば近年有名である。よく都心の居酒屋でも見かける。それを交通会館「秋田ふるさと館」でワンカップを見つけたときはうれしかったな。なぜならとてもきれいな、そして見事なカップのデザインであったからだ。なによりも優れているのは写実性においてだ。これが実際に鈴木酒造の建物なのかはわからないが、よく見ないとわからないくらいに小さく「秀よし」の暖簾。
そして期待しないでグビリとやったところが値段の189円からすると「裏切られた」と思うほどに飲みやすいし、喉越しがいい。
この庶民がうれしい価格帯のワンカップでこの味はまさに農民から苦労して「太閤」となった豊臣秀吉好みでないかい。
ワンカップコレクター太郎の評価/僕家や町が出ているのは好きだな。それになんだか透けて見えるだろ、家がさ、それがいい。
合名会社 鈴木酒造店 秋田県大仙市長野字二日町九
http://www.hideyoshi.co.jp/index1.html
四谷にある名店『鈴傳』の立ち飲み部に置いてある基本的な酒である。酒飲みの楽天地ともいうべき『鈴傳』が選ぶだけあって「千歳鶴」の普通酒は飲みやすく、立ち飲みでグイグイやれる。確か1合350円であって懐具合のあぶないときにはいつも「千歳鶴」となる。しかし長い間、『鈴傳』に行っていない。寂しいな。
さて閑話休題。
この「千歳鶴」のワンカップ、名を「北天」。この命名素晴らしい。北海道の夏の夕暮れのように爽やかな響き。そして味わいもそんな涼やかなもの。なんといっても切れがいい。それなのに味気なくないのは、この酒蔵の実力だろう。
日本清酒株式会社 札幌市中央区南3条東5丁目2番地
http://www.nipponseishu.co.jp/
まずまったく関係ない話から始めるのだが、鹿野酒造の住所が面白い。町名の下の「イの六」とはいったいなんなのだろう。区画に「イロハ」があるということだろうか? 不思議なものでこれだけで加賀市の街角を歩いてみたくなる。
さて最近酒をワンカップコレクターのために買うわけで、その決め手は明らかに「絵柄」であるが、今のところ我が国におけるワンカップの地位は低く、ほとんどが標準以下の味わいである。そんなとき絵柄のよさで選んだ「常きげん 上撰」。「絵柄がよく、味がいい」のに希に希に出くわすと余計にうれしいものだが、これもそうだ。
適度に辛口、旨味も充分備わっている、そして適度に荒れたところがあって、まさに理想的な味わいである。230円の本醸造だが、これだけいいものを作っているなら鹿野酒造は間違いのない酒蔵だろう。
また能登杜氏が造っている酒であるという。このバランスからすると純米酒にはもっと期待が持てそうではないか。
●ワンカップコレクター太郎の評価/教科書にのっていた絵だよね。ぼく勉強しているぞ。(関係ない話で失礼)
180ミリリットル 230円
鹿野酒造
http://www.success21.com/jyokigen/
弘前市でリンゴのワンカップとはまさにストレートでよろしい。よろしいが図柄はまさに最底辺のもの。よくもこれだけへたくそなワンカップを作ったものである。どうせワンカップにイラストをのせるなら「お土産物」に出来そうな美しい絵柄、笑える代物にしてほしい。
さて玉田酒造という酒蔵、銘柄は「じょんがら」だという。そこに「玉川」という銘柄がそのような酒にかぶせられているのか不明。一昔の2級酒にあたる糖分添加の酒である。微かに吟醸香がくるのはつけ香だと思われる。どちらかというと甘み辛みを手堅く調合したよくできた普通種だ。
●千葉市のつづきさんから
ワンカップコレクター太郎の評価/チューリップだからな。(だからどうなんだ)
玉田酒造 弘前市茂森町81番地
鹿野山というと「虎騒動」とくるのでバブリーな生臭坊主というのとともにイメージが非常に悪い。でも山自体は自然豊かで植物の種も豊富、とても風光明媚なところ。考えてみるとこの『原本店』も気の毒なことだ。
まあ、それは災難のようなものは置くとして、この酒、いたって特徴もなく、やや辛口、そこそこにイケル。なかなかよくできた酒である。
ただしワンカップに花柄を使うという安易さに酒蔵の古すぎる体質を感じる。すなわち、未だに「ワンカップ=低級なもの」という考えがあるのではないか?
私見ながら一升瓶を多種買い込んで日々大酒を飲み各地の酒を飲見比べるのは一般的には不可能である。そうするとワンカップはその酒蔵の味わいを知るための重要な役割を担っているのだ。
原本店にもワンカップの絵柄にはもう少し地元ならではのものを使って欲しい。「鹿野山」なら「虎」の絵柄なんて大いに笑えるだろう。
ワンカップコレクター太郎の評価/「だから花は嫌いだっていっただろ。父ちゃん頭悪い」。当然頭を一発ポカリ!
●千葉の海人つづきさんから