日本酒図鑑: 2007年8月アーカイブ

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 この名前に腰が引けてしまう人も多いのではないか、なんとも右傾化した強烈なインパクト。まあボクは嫌いだな。でも善通寺の瀬川酒店で話を聞き、その思いは変わってきた。どうやらこの勇ましい酒の名は日清戦争が勃発し、善通寺に新しい第11師団が出来たなどに由来するものらしい。ちなみに瀬川酒店は善通寺での「凱陣」丸尾本店の支店といったもの。瀬川本店でも酒を造っており、ここにも勇ましい「師団一」という今は幻の銘柄が存在した。とにかくこれら無駄に勇ましい銘柄は明治期の風潮からしてまことに牧歌的なものと言えよう。
 また幕末に高杉晋作が恋人おうのと逃避行した隠れ家としても丸尾本店は有名である。

 この凱陣であるがまことに正統な日本酒の味わいである。本醸造という日常的な酒であるがとても味が濃い。濃いと言ってもしつこいの「濃い」ではなく味わい深いのだ。しかも基調は辛い。なんだか造りがストイックなもので今時の軽佻な酒飲みにわかるのだろうか、この真面目さは。とにかく酒飲みには堪らないうまい酒だと思う。
 こんな飾らない銘酒があること自体、香川は凄いと隣県出身者はおののく。

丸尾本店 香川県仲多度郡琴平町榎井93

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 ボクは生活人的酒飲み、もしくは根っからの酒飲みなので華美な酒を好まない。あえて言うと香りの強すぎる、味わいのざわざわ騒々しい酒は嫌いだ。いちばんうれしいのは純米酒、本醸造がしみじみとうまいという銘柄だろう。
 今回の「川鶴」の本醸造などまさに、ボク好みの酒である。辛口で、味わいのバランスがいい。酸味が感じられないので喉越しがよく、かといって味わいはやや深い。これなら晩酌に毎日飲んでも飲み飽きないだろう。燗しても冷やでもよし。

 琴平から観音寺への県道沿いに不思議な和風建築を見つけた。そこで急遽、ウインカーを出して左に寄る。すると後ろから猛烈なトラックのクラクション。どうやら法定速度前後で走っていた東京ナンバーのクルマにいらだちを覚えていたアホなトラック運転手が威しをかけてきている。まあこのようなヤカラはどこに行っても存在する。無視してとにかく建物の敷地に入る。
 その建物が「川鶴」の資料館だったのである。残念ながら締まっていて、どうせならと道を渡った「川鶴酒造」で買い求めたのが「川鶴 本醸造辛口」である。

 考えてみると我が故郷徳島県にはめぼしい日本酒の蔵が見あたらない。これはボクの知る限り、醸した酒をタンクごと大手に売り払うという主体性を捨てた経営をしていたせいだ。それが一山超えて香川ではいい酒がいっぱいあるではないか? 全国的に有名になった綾菊をはじめ、後々書いていくが今回買い求めてきた3銘柄とも申し分のない味わいだった。これはどうしてなんだろうな? 香川県人のほうがガンコでねばり強いのか、それとも徳島県人がだらしないのか? 徳島県人としてはうらやましいな。

川鶴酒造  香川県観音寺市本大町836

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