管理人: 2006年7月アーカイブ

 酒米に美山錦を使用、しかも精米度が麹で55パーセント、掛け米で60パーセントという純米酒である。ワンカップというと200円前後の製品が多いのだが、これは300円である。最近、このようにランク上位の酒をワンカップにする醸造元が多いのだが、これはとてもよい戦略である。後、2〜3年もすると日本酒はワンカップでまず味見して、それから一升瓶を買うというのが主流になるものと思う。また居酒屋でもワンカップで酒のラインナップをするというのは絶対に面白い。絵柄の面白さか、はたまた味で選ぶか、なんだかこれだけでオジサンも若い衆もドキドキ楽しいだろうな。
 さて、秋田の酒、「天の戸 純米酒」であるが、とても秋田とは思えない淡麗な味わい。飲んだときには一時物足りなく感じるほどだが後に続く辛さと旨味が調和して舌に来る。これはいい酒である。また見つけたらぜひ他の製品も試してみたいと思った次第也。

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浅舞酒造株式会社 〒013-0105 秋田県横手市平鹿町浅舞388番地
http://www.amanoto.co.jp/

 秋田市には一泊したことがある。夕暮れ時に市内に着き懐が寂しいのでカードの使える秋田グランドホテルに宿をとった。考えてみると若気のいたりである。新潟から北上して疲れ果てていたとはいえ贅沢をしたものだ。そして少しホテルでダウンしたあとに酒を飲んだのが川反町である。ヤツメウナギの貝焼き、ハタハタの干物も食べたし、甘い煮物も食べた。
 ここで飲んだ酒が「新政」である。燗をつけてなかなかうまいなと4、5本は銚子をあけただろう。それで翌日、市民市場を見て回った後に1升瓶を買って帰ってきた。これを独り者なので冷やで飲んで、どうにもうまいと思えなかった。当時は酒と言えば岐阜の三千盛一辺倒。辛口のきりりとした味わいが好みであったのだ。それからすると「新政」はゆるいというかズズーンと一本通るような辛さに欠ける。そして味わい自体が軟らかいのだ。
 そして久方ぶりの「新政」である。やはりどことなく穏やかな味わいである。これが燗をすると辛さが表に出てきて味わいに切れがでる。それでも味わい自体はやや軟らかく鋭角的な酒の味が好きなのでややもの足りない。
 でも徐々にこの柔らかさが好きになってきているのはどうしてだろう。五十路を前に好む味覚が変わってきているようだ。

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1升で2300円
新政酒造株式会社 秋田県秋田市大町六丁目2番35号
http://www.aramasa.jp/

北千住「大はし」

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 仕事が終わり、夕暮れが迫り来る。こんな時間帯に北千住を歩くのが大好きだ。別になにをするでもなく、ただただ「無駄歩き」をする。この「無駄歩き」は川本三郎さんのエッセイを読んでいたときにひらめいた言葉。川本三郎さんは、下町を歩き、想う。ボクは決して「想う」のではないのではないか? ただただ彷徨っているだけだという思いから「無駄歩き」としたのだ。その川本三郎さんのエッセイで見つけたのが「大はし」である。
 北千住には足立市場があり、その下調べをかねていろいろ歩いてみたり、また芭蕉の奥の細道を読み返してみたりしていた。

 そして京成線「千住大橋」から足立市場を見て、旧日光街道を北上する。この旧日光街道の街並みは個人商店が多くてとても楽しい。子供の頃にみたような木造ガラス張りの薬局のある薬屋、切り妻造りの文房具店、昭和30年代の「モダン」を今に残す洋品店。こんな街並みを北上して右手にあるのが「大はし」なのだ。
 この「大はし」なのだがどうも昨年から今年にかけて建物を改築したか、立て替えたかしていたようで来るたびに店は閉ざされていた。それがやっと営業中なんだなと思うと店の前に人が並んでいたり、かれこれ数度おとない、やっと席に着けた。

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 入った途端に「一名さん」と言われるが声が鋭角的で大きい。一瞬たじろいだが店の雰囲気は穏やかで温かい。とりあえず酎ハイと名物の肉とうふ。

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 店内にはいるとUの字のカウンター。その中ほどが切れて右側はふたつに分かれている。左側は短く、そのとぎれた所に「金宮焼酎」の置かれた棚がある。その奥に厨房があるようだがそれが思った以上に広いように思える。その厨房の前にいるのがここの4代目と5代目である。
 4代目は肉とうふを浅い皿にとると注文から一瞬の間で目の前に。焼酎ハイは網代の小皿に分厚いグラス。まず焼酎をそそいで梅エキスを。ここグラスから表面張力で焼酎が盛り上がる。そして大振りのブラスにレモンの切れ端、炭酸と氷のペールが置かれる。すなわち基本は梅割なのであり、そこに炭酸が加わって酎ハイとなる。

 この「肉とうふ320円」は牛肉と豆腐の煮込み。豆腐抜きなら「牛にこみ320円」となる。程良い甘味、そしてほろっと肉の繊維がほころびて軟らかい。また煮込まれた豆腐のうまいこと。さすがに「大はし」と言えば「煮込み」といわれるわわけを思い知る。そう言えば東京には三大煮込みというのがあり、一に「大はし」、二に「山利喜」、三はなんだっただろう。

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 梅割のお代わりをして品書きを見ると「さんまたたき」「こはだ」がともに480円、「やりいかさしみ」「生うに」「しゃこ」がありなんと「白海老さしみ」もあるのだ。煮魚、塩焼き、お新香もあり、こんなに品書きの多い店だとは思わなかった。
 ここで「こはだ」をお願いすると、驚いたことに「新子」なのだ。しかも7匹。今の時期なら1匹原価で50円近くする。それで480円なんて信じられないのだがどう見ても「新子」としか見えない。

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 やっと落ち着いたとき右手奥で静かに飲んでいた老人とその息子さんらしき二人が勘定を済ませて席を立つ。老人はひとりでは立てないほどお身体を悪くしているようだ。それでも「大はし」に来てしまうのだろう。ゆっくり狭い通路を壁などを伝い出口に向かう。その息子さんの老人を支える姿に愛情がこもっている。

 軽く腹ごしらえをしてきたのであるが、あと一品欲しい。考えた末に「牛にこみ」にする。
 このとき周りを見回して気がついたのだが、ほとんどの方の前に「金宮焼酎」のボトルが置かれている。奥のアルコール類の品書きを見ると「焼酎一本1250円」とある。しかも梅エキスはサービスなので非常にお得である。しまったと思って「ボトルで頼めば良かった」と漏らしてしまったら、お隣から声がかかった。この水澤章さん(名刺をいただいた)との会話が楽しかった。とても静かに話をされる内容が所謂世間話ではなく、昔の栃木のこと(水澤さんは栃木生まれ)だったりする。最近、東京近郊の街に興味を持ち、巡っているので、この内容が非常に面白いのだ。途中下車までして「大はし」に通っているという水澤さんから「何かの縁ですから」と焼酎を注いでいただく。またお会いできたらうれしいな水澤さん。
 さて、下町の大衆酒場での長居は禁物である。小一時間ほどで退散する。その旧日光街道は逢魔が時を迎えている。

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 なかなか仕事場が遠くなって行けなくなった。それでますます恋しいのが四谷『鈴傳』である。四谷駅から新宿通をほんの数分歩いたところ。ここは明らかに酒屋でしかない。でもその酒の品揃えが半端ではない。だいたいこの鈴傳の凄い所は地酒といったらまったく下等な酒とされていた時代から「いい酒はいいのだ」という独自の日本酒への評価を持っていたところである。ここで初めてであったのは30年近く前の「三千盛」「出羽桜」から焼酎の「二階堂」、はたまた「十四代」まで数知れず。
 この鈴傳の創業は文久三年、すんわち今を去ること150年も前である。当然、江戸は見附を外れていても屈指の老舗。そんな老舗にして進取の気象が甚だしい。

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ここに来てまず立ち飲みをしなくてはいけない。そうして旨酒を探すのだ

 残念ながらここに来れるのは近くで仕事をしていた時期を除くと一年に二度か三度。これが残念なところである。くるとまず立ち飲み部に入ってしまう。ここで冷や酒を2,3杯。ここで出される酒は店主自らがうまいと判断した旨酒ばかり、ここで手作りの肴と共に堪能して地下の酒蔵に下りるのだ。そして冷風の中、旨酒を探し出して買って帰る。

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旨酒は地下で探すのだ。この冷気の中で眠っている旨酒を思案しながら買うのがいいのだ

 これが鈴傳での流儀。立ち飲み部で決して泥酔することなかれ。

鈴傳酒店 東京都新宿区四谷1丁目10

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 この店の名前からしてわからない。暖簾を見ると「宇ち多」なのだろうか? あまり自信がないので「うちだ」とする。この店のことを知ったのは『下町酒場巡礼』による。食べ物関係の店で「本を見て行く」ということは絶対にしないのだけど、この本、著者の年代的からもしみじみその良さが伝わってくる。そのせいかここに書かれている店は素直に行ってみたくなる。そのなかでももっとも行って見たかったのが「うちだ」である。
 葛飾立石は都心からだと40分以上かかる。しかも「うちだ」の開店が午後3時、午後5時には売り切れのモツ焼きが出ると彼の本には書いてある。当日は仕事が急に取りやめとなって、ぽつんと時間があいてしまった。でも時既に3時近い。

 とにかく押上を目差し、京成電車に乗り込む。立石駅から歩くこと数十メートルで「うちだ」に到着した。4時前のことだが、驚いたことに席はあらかた埋まってしまっている。そして指示を受けて座ったのが品書きのまったく見えないところ。これはまことに残念。
 やや奥まった席に座ると薄暗いのと、満席のざわざわした低い騒音に気持ちがかさかさ滑っていく。この店、入り口近くは仲見世からの光が入り込んで明るいが全体に薄暗く、壁や机の古びた色合いと共に沈んで見える。そこに見る客層はばらばら様々であって、「昔からここで飲んでいるよ」という地元組、「わざわざここまで来たというグループ」、はたまたサラリーマンであったり、ボクと同じように「一度飲みに来たかったんだ」タイプまでいる。

 店内に入り、すぐさま座る席を指示されたと書いたが、なんだか席に着いてからも慌ただしい。ぜんぜん品書きが見えないので、しかたなく煮込みと梅割り。周りを見ると梅割りにサイダーを並べている人が多く、これを足すと酎ハイと言うことだろうか? でもとてもサイダーを飲む気持ちにはなれない。ビールに冬なら燗酒というのもあり、神谷バーのハチブドー酒、デンキブランなどがある。
 梅割りを注文するとさっきのテキパキしたお兄さんが片手に焼酎、片手に梅エキスの入った瓶をもって、まず、焼酎を分厚いグラスに満たし、そこに溢れるように梅エキスをそそぐ。これが甘いけれど、なかなか鄙びた味わいでいい。そこにみそ味の煮込みが間髪入れずにくる。この煮込みが濃厚だがさすがにうまい。うまいというより酒を呼ぶ味わいだ。

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 煮込みと梅割りをやりながら、すぐに梅割りをお代わり。「生」というのをお願いしたかったが「レバー」はいやだし「あぶら」も嫌だな、なんて思っていて仕方なくレバーとこぶくろをタレで。すると出てきたのがでかいモツ焼きである。それも170円2本が決まりなのでなかなかボリュームがある。
 また、梅割りをお代わりして、またまたお代わりしてお仕舞いにする。これで2千円を渡してたっぷりおつりがきた。

 店に居たのは30分と少し。飲んでいるときにも回りのお客の出入りが激しく、長居をする人は皆無である。最近、下町で飲んでいて気がついたことは「酒の飲み方がきれいで、あっさりしている」こと。中央沿線や神田などには未だにからんでくる、いきなり話しかけてくるなどヤカラがいる。これが下町だと話しかけるにしてもほどよく上品なのだ。
 さて、初めての「うちだ」はやはりじっくり味わって飲むという境地には至らなかった。これはまた再度挑戦するしかない。しかし、煮込みはうまかったな。

 秋田の「なべ婦人」からいただいたもの。ご子息が山梨の大学に進学されて、ときどき川口湖町に行かれているらしい。土地と人の縁というのも不思議だし、その縁にボクも加えてもらってありがたいと思う。
 さて河口湖町は富士山麓の観光地。また彼の『冨士日記』、武田百合子の鳴沢村の隣町というのも惹かれるところだ。この地で幕末以来酒を醸してきたのが井出醸造所である。
 いただいたのはワンカップで普通酒である。この普通酒をどのように造るかで、その酒蔵の実力がわかるというのがボクの考え方である。確かに純米酒や吟醸酒のように値のはるものではないのだが、地元の方などにもっとも親しく飲まれるものだ。これをおろそかにする酒蔵が苦手なのだ。
 そこに『甲斐の開運』ワンカップなのであるが、とてもいい酒である。思ったよりも辛口で味わい深い。あまり冷やさないでちびりちびりやっても充分に楽しめる。こんな普通酒を造るならこんど見つけたら純米酒などを求めてみたくなる。

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井出醸造所
http://www.kainokaiun.jp/

 太郎のワンカップコレクションでももっとも美しいもの。これを氷水につけたときの幻想的な赤紫が、深夜のいっぱいにもってこいであるように思えた。当然、長野を旅していて見つけたら「買うだろう」といったもの。まさに長野の高原地帯の玲瓏を表現しているようである。
 ただし、飲んでみると味は重い。重いというか日本酒度が低いためか、甘く糠臭さを感じる。冷やよりも燗がいいかも。でもこの絵柄をして燗をしたらイメージに違和感を感じるだろう。このワンカップに関してはどうにも飲み口の悪さから惹かれるところはない。

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ワンカップコレクター太郎の評価/絵があるし、お茶を飲むとき使うんだけどいいと思うな。「山がいいんだな、山が」。ハハハ………
薄井商店 長野県大町市大字大町2512-1
http://www.hakubanishiki.co.jp/

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 新井薬師駅商店街をぶらぶら歩いて、初めての交差点らしい交差点。右手を見ると森が見えて、たぶんこちらが新井薬師なんだろうか? それよりも真正面に「ああこれは堪らんな」というものが目に飛び込んでくる。「やきとり 金亀」、その軒先に4つの提灯があって「や・き・と・り」なんてオヤジのそぞろ歩きを止めるのに充分である。そろそろ灯ともし頃とは言え、ちょいと早い酒であるが当然「ゴー」である。
 入るとカウンターだけの店。左手にせり出すように焼き鳥(トン)の焼き台。カウンターの正面は壁であり、メニューがずらりと並ぶ。右手は座敷があり、ここは居住空間に思える。まったく怪しいところにいたのが割烹着のオバサン。これがとらえどころがない。

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 カウンターの右端には先客がいたが入るとほんの数分で出ていってしまった。

「あの、ホッピー」
 するとグラスに焼酎をそそいでホッピーを半分入れる。
「あと煮込みをください」
 これが450円、ホッピー380円でつまらない喫茶店より数百倍満足感が得られそうだ。
 そしてホッピーをあおりながら出てきたのがシロモツを使った塩分をしっかと感じられる煮込み(450円)。

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「うまいな」
 いい味なので自然にこんな言葉が出てくる。ついでに焼きとんの「はつ」「れば」を一般ずつ。
「ウチのタレは開店して以来30年も継ぎ足して使ってるんです。できればタレで」
 当然素直にタレ。
 これもなかなかよかった。それでまだ暮れていない街に出て、ほろ酔い歩きをしたのだ。
 下町と比べるとやや値の張る、「ちょっと一杯」ながら、中野の今と昭和の混合した商店街に忽然とあるのが「金亀」である。ここも住むひとに優しそうではないか?

 この酒をどうして買ったかというと、ずばり『釣りバカ日誌』の絵柄による。他に他意はなく「白鶴」がうまいだろうと思ったのでないことは明示しておきたい。でもこのパッケージは、面白いな、ついつい買ってしまう。考えて見るとビックコミックオリジナルに「釣りバカ日誌」が登場したのはいつだったろうか? 無趣味な浜崎伝助氏が課長に誘われて、そしていつの間にか釣りバカになってしまって「出世を忘れ」万年平社員になってしまう。確か25年くらい前。当時は熱狂的なクロダイ釣り師になろうかと言う時であり、毎週読むのが楽しみだった。
 また漫画とはまったく内容が異なる映画「釣りバカ日誌」も決して嫌いではなくテレビなどでやっているとついつい見てしまう。今時、こんなわかりやすいお笑いも珍しく貴重である。
 きっとこの白鶴酒造が映画「釣りバカ日誌」のスパンサーなんだろう。そして安酒ともいうべき「まる」であるが、思ったよりもよく出来ている。糖分も酸味料も添加して作られた味なのだがくどくなく、味気なくもなく。適度に飲み口もいい。大手があなどれないのが、こういった製品なのかも知れない。

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白鶴酒造
http://www.hakutsuru.co.jp/index.html

 緑色の福助、赤い福助と並んでいる。なんだか今風の目立ちたがりの絵柄だな、と思いながら「緑」を買ってきた。「大塚酒造」は初めて飲む酒蔵。期待しないで飲むと、思ったよりうまい。というか端的にうまいな。良くできた酒だなと思うのは辛さと甘味旨味のバランスがいいのだ。これなど冷やでじんわりと飲むのに向いている。
 そしてラベルを剥がそうと水に漬けて置いてあとは忘れてしまっていた。その翌日、太郎が、
「父ちゃん、このワンカップ何時買ったのかな」
 持ってきたのを見ると松の印象と「秀緑」の文字。そうか紙のラベルの下にこんな絵柄が隠れていたのだ。ちょっとこれは面白いな。なかなかやるじゃないか、「大塚酒造」。
●葛飾区立石の「酒の美濃屋」で購入

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ワンカップコレクター太郎の評価/青い絵と字は好きなんだよ

大塚酒造 茨城県板東市岩井3351-1
http://www.shuroku.com/

 ワンカップには力を入れないという酒蔵が多いように思える。当然中身は藏元の最低ランクの酒。でもワンカップでその酒蔵を知ろう、またいちばん手っ取り早い酒蔵との出合いだと思っているボクにはワンカップを大切に考えない酒蔵の考え方は理解できない。ただし、ワンカップを作る以前に非常に仕込む石高の少ない酒蔵は仕方がないと思うのだが。
 さてそんなときに見つけたのが「福千歳」である。この酒蔵、山廃仕込みで有名であるという。当然、ワンカップながら山廃のよさである旨味があって、しかも適度に飲み口がいい。
 初めて飲んだ「福千歳」なかなか好印象であった。

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福千歳
http://www.fukuchitose.com/index.html

 あきる野市五日市から秋川を渡ると戸倉の集落にいたる。五日市の街は長く、それなりに市街地を形成しているが川ひとつ越えると鄙びた雰囲気に変わる。ここが秋山村に続く街道であり、ここから道は狭く川に沿って曲がりくねる。すなわち田畑のある最後の場所であり、ここから奥は森林地帯となる。
 この戸倉が長閑でいいところである。山にこんもり緩やかな平坦部があって、そこに商店が建ち並ぶ。山国を歩いていると、このような小さな商店街というか集落に出くわす。たぶんその昔は秋山村から出てきて、ここで一息いれる。そして五日市の街に農産物や材木を売りに出る。そんな場所だたんだろうな。
 そこに静かな佇まいであるのが「喜正」の酒蔵だ。煙突が見えるし、杉ばやしが下がっていていかにも酒蔵然として見事な一角をなしている。
 この戸倉や秋山村は我が家から至近にある豊かな自然。ここで川遊び、山菜取り、また昆虫や魚を探した後に「喜正」に寄って4合瓶を一本買ってくる。これが一升瓶ではなかったのが、戸倉の爽快な景色とはうらはらに「喜正」の味わいが重たく野暮ったいもの。あまりグイグイとはいかないものであったからだ。
 それがである。久方ぶりにまた立ち寄ってみると、味わいが昔と違っている。喉越しのいい、冷やでもいけそうな純米酒を見つけて、思わず一升瓶を買い込んでしまった。この「喜正 純米酒」のいいところは辛口なのに味があること。そして切れがいい。
 最後につけ加えると前回(10年近く前)「喜正」を買ったときに対応してくれた男性、どうも酒飲みの気持ちというか酒の好みなどの機微がわかっていない。また酒の味わいの表現力もない。それからすると今回対応してくれた女性は対応にそつがなく酒飲みの弱点を知っているようだ。

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野崎酒造 東京都あきる野市戸倉63
TEL:042-596-0123  FAX:042-596-
http://www.kisho-sake.jp/

 これも高尾の「ポプラ」で見つけたもの。この高尾の「ポプラ」面白いな。
 さて、『石陽日本海』がある旧三隅町は日本海に面した静かな町である。一昨年訪れて、ここから山口県への国道のなんと暗くて、また寂しいところよ、と深夜の国道を走りながら思ったものだ。
 さて、そんな遠路を八王子まで来たのが「カップセキヨーニホンカイ」である。秋の青空を思わせる色、そこに白地の明解なデザイン。どんな味わいなのだろうと口に含むと冬の日本海のように重い味わいの酒である。これはワンカップに飲みやすさとか、味わいとかが必要ないとの考えがあるのだろうか? もしくはこの普通種に力を入れていないためかな? いい酒蔵というのはいちばん安い酒を飲んでも出色の感があるのだが。せっかく「石陽」という名を記憶したのに残念である。またこんな重い酒がまだまだ島根で受けているのか、と思うとその風土も経験したいと思う。
 ボクが思うに、この味わいでは都会の精神的に追い込まれている世代には受け入れられないだろう。「日本海酒造」の酒にも多々種類はあるのだろうが、もっとワンカップにも力を入れて欲しい。

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ワンカップコレクター太郎の評価/字はだめなんだよ。山とか、景色があるといいんだけどな。あと目盛り(計量の)があるともっといい

日本海酒造株式会社 島根県浜田市三隅町湊浦80番地
http://www.cadbox.co.jp/sekiya/kuramoto/shimane-nihonkai-syuzo.asp

 最近気がついたのだけれど、コンビニでもともと酒屋を経営していたというケースは多いようだ。この場合、他のコンビニよりも酒の種類が多いのは当然であるが、珍しいワンカップも多々見受ける。今回は高尾山口に近いポプラというコンビニ。ここがなかなかアルコール飲料の品揃えがいい。
 そこで見つけたのが「金紋會津」である。変形のグラスに山とわらぶき屋根の民家。きっと会津地方の風景を移したものであろう。これが非常に好ましい。
 過去の経験からすると福島県会津地方の酒は多種類飲んでいるのだがあまり相性がよくない。そんななかで「金紋 會津」というのは初めて飲むもの。
 これが意外にいい味わいである。ワンカップで225円であるから普通種であろう。ただし糖分もアミノ酸なども無添加とあるように素直な下手の酒であって、これは立派に酒飲みの友となりうる。辛さがほどよく、それでいて旨味が浮かんでくる。その旨味が喉に消えるときも後味がさらりと切れるのがいい。

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ワンカップコレクター太郎の評価/そう、これ、絵が書いてるのがいいの。後ろに山とか、家もあるし。

会津酒造 福島県 南会津郡南会津町永田字穴沢603番地
http://www.uyou.gr.jp/aizu-syuzou/index.html

 これは千葉市の海人つづきさんからの贈り物。我が跡継ぎである太郎が熱中しているのがワンカップのグラス集め。特に紙を貼るのではなく印刷というかグラス自体に模様が入っているのが収集の対象。このために我が家のコップはワンカップだらけ。それで見るに見かねて、つづきさんが太郎の趣味に、ぼうずコンニャクの大酒飲みを察して送ってくれたわけだ。

 この「吉壽」、千葉の内房から外房鴨川に抜ける山中にある城下町久留里にある吉崎酒造のもの。久留里は町中に噴水井戸のある水の里。その水は通るたびに汲んでくるが美味である。水がいいということで、千葉にあって有数の酒どころでもある。
 久留里の水は軟水で飲みやすいのだけれど、日本酒はいかにも鄙びた味わい。今時の酒の切れがどこにもない。当然、「吉壽」もそんな味わいの最たるもの。冷やでは重く麦芽糖のような風味があり、べとついた感じ。できれば燗をつけるとこの重さも消えて味がぐんと飲みやすくなる。
 またカップのデザインも田舎臭くて、これはなかなか捨てがたい。この花がなんだかわかるだろうか? 西洋の花であるようなないような。こんな大らかさが山里に似合うのだ。
 ということで、ぼうずコンニャクはワンカップ図鑑を始るのだが、その第一を千葉の馴染みの藏元から始められたことを、つづきさんに感謝。

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ワンカップコレクター太郎の評価/字にヒゲが生えているのがいい

吉崎酒造 千葉県君津市市場102
http://www.chuokai-chiba.or.jp/sake/kura/kura6.html
●お魚三昧日記から

 三重県というとまったく日本酒の浮かばない県であるが、ボクがそれでも思い浮かべるのが「宮の雪」である。かれこれ20年以上前になるが名古屋のこぎれいな、しかも格安な飲み屋で、これを飲み過ぎて遭難して以来、「宮の雪」を見つけるとついつい買ってしまう。ただし関東ではあまり見かけない。
 この酒、決して銘酒というのではなく良酒といったもの。味わいに突出したところわざとらしいところがなく飲みやすく、それでいて旨味がある。
 四日市というと香ばしく焼き上げたうなぎの蒲焼きが有名であるが、昔から醸造業の発達したところ。ボクが今、もっとも行ってみたいところでもある。そんな旅の居酒屋で端正な「宮の雪」をやるのはいいだろうな。

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宮崎本店
http://www.miyanoyuki.co.jp/

 愛読書というか、ボクの下町への誘いというか『下町酒場巡礼』は何度も何度も読み返している。でも読み返す部分というのが行ってみたい酒場を「行ってみたいな!」と思って読んでいるのであって、コラムの部分はほとんど置き忘れた状態である。そんなとき江東区住吉『高島屋』で出合った「酒場巡礼」中の男性から「亀甲宮」の話がでたのだ。そしていちばんに思い出したのが『下町酒場巡礼』の宮前栄が四日市の工場を訪ねるコラム。ちなみに『高島屋』の焼酎は初めて見るものであるが「亀甲宮」ではなかった。

 そこで住吉で2軒あった酒屋のひとつで買い求めてきたのが「キンミヤ焼酎」である。「おいおいどこにも亀甲宮なんて文字はないだろう」と思ったが、せっかく酒屋のお婆ちゃんが出してくれたんだし、その上、1瓶650円なら安いものだ。帰宅してもう一度『下町酒場巡礼』を見てやはり「キンミヤ」と「亀甲宮」とが同一のものであることが判明する。驚いたことには三重の銘酒「宮の雪」の醸造元でもある。

 さて、甲類焼酎にうまい、まずいなんてあるんだろうか? 考えてみれば下町の酒場にある焼酎は「亀甲宮」という図式も『高島屋』で見る限りない。だいたい彼の酒場でいちばん気になったのは焼酎ではなく「Nihon Citron』と書かれた異常にリサイクル率の高い炭酸であった。そしてとりあえず飲んでみる。ちなみに甲類焼酎を生で飲むのは初めての経験だ。これが思ったよりも軟らかく、ほんのり甘い。「飲めるじゃないか」と思って、我が家にもう一種類の甲類焼酎があるのを思い出してそちらも飲む。この●●タンも思ったより軟らかい、軟らかいが滑らかではない、少しトゲトゲする。でもこれを持って酎ハイには「亀甲宮」でなければダメということになるのだろうか?

 こんなことがあって酎ハイのことを立ち話していたら寿司屋の若だんなが
「うちでも酎ハイが出るんだけど、梅の味の甘い液体があるの、酎ハイ専用の、あれいれると、寿司に合ねーのさ。それで工夫してさ、梅酒と35度の焼酎にしてるの」
「35度ってなんか意味あるのかな」
「そっちのほうが雑味がないつうか、クリアな感じがするわけ」
「焼酎自体の味に気になったことないのかな」
「ないない」
 焼鳥屋もすし屋も割烹料理屋も多摩地区では焼酎なんかどうでもいいようだ。

 でも、ボクが飲んだ限りでは確かに「キンミヤ」というか「亀甲宮」は軟らかく味にふくらみがある。甲類焼酎の世界も奥が深そうだ。

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宮崎本店
http://www.miyanoyuki.co.jp/

 少しでも時間があれば東に行きたいというのが今日この頃である。なぜか知らないが「東へ東へ」と惹かれていくのだ。でも時刻はすでに6時半過ぎ。外はまだ明るいとはいっても大好きな下町の商店街は急がないと店仕舞いを始めてしまう。それでいちばん近い都営地下鉄神保町駅で170円切符を買う。そして飛び乗って追加の40円を支払って下りたのが住吉駅である。バカなことに、ここは営団地下鉄半蔵門線も乗り入れている。明らかに余分な金を支払ってしまっての住吉である。
 地下から出て右手に四つ角、正面の道路が新大橋通りであるが、ここまでくると道幅がせまいのだ。この道の正面になぜか満員のカウンターの店が見える。どうもラーメン店のようだが、なんだろう。そして行き着いたのが住吉銀座商店街である。北に向かって左手に魚屋がある。焼鳥や惣菜の店、そして居酒屋の『高島屋』を見つけて、そのまま北に。右手に賑やかな八百屋、うまそうな豆腐屋を見つけると、ほんの数十メートルなのに先がない。

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 仕方なくというか、どうしてもと言うか、行き着いたのが『高島屋』である。ここは確かかの名著『下町酒場巡礼』に載っていた店だ。それなら絶対に間違いはなかろうと入ってみて、あまりの懐かしい店内の雰囲気に体中が硬くなり、そしてぶるぶるふるえが来る。これはオヤジなりに「感動した」のだ。店は狭くて少し薄暗く古色をおびた壁には古すぎるポスターや黒板が見える。目を落とすと右手にテーブルふたつ。いちばん出口近くに手前にだけ二人しか座れない半テーブル。左にカウンターがあり、カウンターを隔てて幅1メートルたらずの厨房がある。店内は8割方満席だが、まだ余裕のある穏やかな雰囲気。厨房の真ん中にはテレビ。巨人阪神戦がついている。当然、下町なのでお客のほとんどが巨人びいきであるようだ。
「今日負けると10連敗だっけ」
「あれ、今日で9連敗、いやもう9連敗してるってことかな」
 そこに4人がけテーブルから
「王が荒川と会ったのが、あそこなんだ」
 この荒川というのはダレなんだろう? だいたい何時の話をしているのかもわからない。

 カウンターに腰掛けると、前にはおじいさんと大柄な男性。どう見ても親子である。おじいさんが料理の担当、息子さんが飲み物をつくる。まず突き出しに拍子木に切られたタクワン、そして真四角なタオルが置かれる。
 品書きを見るとアカガイ、カツオの刺身、締め鯖などが370円、ほかに薩摩揚げや里芋の煮つけなどもあるが400円を超えるのは味噌漬けの鶏とタンドリーチキンのみ。
 飲み物は清酒300円に生酒が高くて600円、他にはホッピーや「酎ハイボール」「レモンハイボール」などもあるが400円以下となっている。「ハイボール」とあるがようするに酎ハイのこと。それでまずはホッピーを注文する。

「どっち」
「え、ホッピーに種類があるんですか?」
「そう黒か普通」
 普通にすると息子さんが、素早く焼酎(初めて見る銘柄)を計り、グラスに入れてホッピーを注ぐ、そしてグラスとホッピーの瓶を机に置くのだ。これでさっき置かれた四角いタオルがコースターであることが判明する。そしてつまみにモツ煮込み。
「ネギ入れていい」
「お願いします」
 これが小さすぎる器に入れられて、ネギたっぷりでやや小山になっている。これに一味唐辛子をふり、そのモツの数片を口に入れると、やや塩辛いが、これは味噌の味わい。味噌はやや塩分濃度の高いもので、たぶん信州味噌かな。モツ以外にはさいころに切ったコンニャクが入っている。

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「モツ煮込みうまいですね」
「そうでしょ。昔はね。近所の人がいっぱい買いに来たの。ここ(住吉銀座)賑やかでね。そばにスーパーが出来てから人がいなくなったけど。昔はいっぱい買いに来たんだね」

 店内で「あああ、あ」と声があがる。テレビでは巨人軍の工藤が顔をゆがめている。
「誰だ、こんな番組つけたのは」

 今は店舗数も少なく寂れているが、その昔は賑やかな商店街であって、すこし北に行ったところには夜になると露店が出ていたそうだ。

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 締め鯖、もう一度、モツ煮込みを並べて、こんどは酎ハイボール。「ハイボール」という言葉をウイスキー以外にも使うのは古い店の証拠だと『下町酒場巡礼』にも書かれていた。そして熱燗を1本、そして2本。
 そんなとき、店には場違いとも言えそうな男性が入ってきて酎ハイボールにモツ煮込みを注文する。
「よく来るんですか」
 と聞くと
「まだ二回目です」
 この方はどうも『下町酒場巡礼』をしている模様。都営新宿線沿線にはいい居酒屋がたくさんあることなど教えてもらい。そして最後にもう一合。

 完全に出来上がって住吉を後にする。9時過ぎて東京駅から中央線に乗る。意識は確かに神田駅を出発するところまではあったのだ。気がついたら西八王子。しまった!

 かれこれ『三千盛』に出合って30年近くなる。それ以来、月6本の『三千盛』を飲むのが20年も続いた。これが経済的に出来なくなって、「純米酒」を買うことが出来るのは正月と誕生日だけになってしまった。まことに人生も「辛口」なのだ。そう言えば好きなあまりに笠原町の酒蔵まで行ったことがある。そのときの酒蔵の印象も簡素でよかった。
 この『三千盛』純米酒の味わいは、きりっとした辛口、そして、どこまでいっても辛さの単な味わいが続いて、そこにやがて甘味と芳醇さが勢いをつけてきて喉に消える。これほどうまい酒があるものか? というのが1升瓶を抱えているときの思いである。
 この旨さを色川武大をして死を予感さしめ、永井龍男、山口瞳などもエッセイに『三千盛』の旨さを書き残している。不思議なのは『三千盛』を好むのは、ボクが大好きな作家ばかりである。

 さて、今日はいたってなにもない土曜日。こんな日に贅沢な純米酒とはいかない。それで本醸造。永六輔の『土曜ワイドラジオ東京』を聞きながら、長野の『山治 平林商店』のしょうゆ豆を肴にする。そして少しだけ昼寝と「極楽極楽」なのだ。

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三千盛へはここから!
http://www.michisakari.com/index.html

●三千盛の蔵は鄙びた風情の気持ちのよいものだったが、ホームページを見るとやたら賑やかになっている。また変な書道家(有名な人なんだろうな)の字に気品がない。でも酒の味わいはいいのだから安心かな。三千盛よ、あまり下世話になるなよ

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